「ああ・・・ん・・・あん・・・っ」
人目を遮る岩陰からすすり泣くような喘ぎ声が零れる。
遠い異国の地の海辺。
まして岩陰から少し出れば日差しが白い砂浜を焼く日中に、生まれたままの姿を晒して組
み敷かれる自分に竜也は恥ずかしさのあまり目も開けられないまま直人に抱かれていた。
羞恥と欲望の間で全身を朱に染め上げて身悶えながら、それでも自分を求める竜也のいじ
らしくも淫らな姿を眼下に見下ろして、直人もまた熱にうかされるままに昂ぶっていた。
竜也の足を胸につくほどに折り曲げて肩に担ぎ、露わにした奥を自らの楔で何度も激しく
穿つ。
その度にピンと張り詰めた竜也の爪先が青い空を蹴った。
「あっあっ、はあ・・・っあつ・・・い・・・っ」
岩に遮られた日陰とはいえ周囲を取り巻く気温は高く、互いの全身をとめどなく流れる汗
が肌を伝い落ちては砂にしみ込む間もなく蒸発していく。
そんな物理的な熱と内側から身を焼く熱とでドロドロに溶けてしまいそうだった。
「なお・・・とぉ・・・っ熱いよ・・・」
「ああ・・・お前の中もな・・・っ。すごいぞ。熱くてうねるみたいに絡み付いてくる。
随分興奮してるんだな・・・?」
「あっ!ん・・・だって・・・っ!」
「『だって』・・・何だ?」
いつになく大胆に貪欲に直人を受け入れながらも直人の言葉に恥らう素振りを見せる竜也
にくすくす笑いながら、直人は竜也の耳元に唇を寄せた。
「なぁ・・・浅見?」
「あああっ!!」
そして竜也の最も敏感なトコロの一つである耳を甘噛みし、その輪郭を舌先でなぞって内
側を舐めねぶった。
耳穴に舌を差し入れわざとグチャグチャと卑猥な音を立てる。
「ひぃっ!ああっ、ふ・・・んああっ!」
脳に直接響くような快感にビクビクと震える体は中の直人を断続的に締め付け、直人はそ
の感触を楽しむように腰を揺らした。
「・・・っ。感じてくれるのは嬉しいんだがな・・・そんなに締めるな・・・」
竜也の反応を揶揄するような直人の恍惚とした声と言葉に、竜也はたまらず汗ばんだ髪を
砂まみれにして頭を振り身を捩った。
「くふ・・・ぅ・・・やめ・・・やだぁ・・・っ」
「嫌か?お前の中・・・吸い付いてくるみたいだぜ・・・?それにここも・・・ほらこん
なに濡れて・・・」
「ああん・・・っ!」
直人は耳元にそう囁きながら竜也の中心に指を絡ませた。
ずっと硬く張り詰めたままの竜也のそこは、耳をしゃぶられ直人が腰を動かすたびに先端
から蜜を溢れさせ汗と相まってしとどに濡れていた。
ゆるゆると幹を梳き先端を指先で弄りながら、直人はなおもしつこく耳を責めた。
「あふ・・・っああもう!直人!もう・・っそこ、やぁ・・・っ!!」
過ぎる快感を持て余し、竜也は顔中を汗と涙でぐちゃぐちゃにしながら懇願した。
拠り所を求めるように無意識に指が砂に埋まる。
しかしサラサラとした砂は頼りなく指の間をすり抜けるばかりで、竜也は何かに縋りたく
て果たせないもどかしさに何度も繰り返し砂を掻いた。
直人はそんな竜也に目を細め、涙に濡れた目元にキスを落としてその手を自分の体へと導
いた。
「浅見・・・」
優しく自分を呼ぶ声に、竜也は荒く息をつきながらうっすらと目を開く。
ぼやけた視界の向こうに空の青さを背にした直人の姿が蜃気楼のように揺らめいて、竜也
は導かれ、手の平に触れた直人の体温を掻き抱くように直人に縋りついた。
「直人、直人!俺の・・・直人・・・!」
直人もまたがむしゃらに抱きついてくる竜也の体をしっかりと抱きしめた。
「ああ・・・そうだ。お前のモノだ・・・浅見・・・」
「好き・・・愛してる・・・。俺にはずっと・・・直人だけだよ・・・」
「俺もだ浅見・・・愛している・・・」
「うん・・・直人・・・」
鼻先が触れ合う距離で見つめ合い想いを交し合って、二人は歯があたるほど深く激しく唇
を重ね、熱い吐息を互いの口内へと飲み込んで・・・。
決して離れまいとするように汗にぬめる互いの体に手足を絡ませ、波の音と椰子の葉ずれ
を遠くに聞きながら抱き合い交わりあい、時を忘れて常夏の大地へと沈み込んでいった。


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