| Mermaid |
パシャン。 パシャ・・・。 水音が聞こえる。 薄闇の中、ぼんやりとベッドの上で身を起こしながらそんなことを思った。 雨でも降りだしたのかと思ったがそんな音ではないことにすぐに気がつく。 それと同時に隣に寝ているはずの浅見の姿がないことにも気がついた。 パシャン。 パシャ・・・。 水音はテラスの方から聞こえていた。 ここは浅見の部屋でも俺の部屋でもない。 とあるホテルの屋上階にある、いわゆるロイヤルスイートルーム。 インターネットの懸賞サイトに何気なく応募したら当たったのだと頬を紅潮させ、目を輝 かせながら浅見が言ってきたのはついこの間のこと。 その気になればホテルのスイートルームなどどこでもいくらでも借り放題だろう日本有数 の大財閥の御曹司が、そんなことを無邪気に喜ぶ庶民臭さに笑ってしまった。 そしてわざわざそれを利用して、二泊三日の予定でそこを訪れたのが昨日のこと。 何もかもが用意され上品に仕立てられた、日常から完全に切り離されたような空間。 広い部屋に負けず劣らず広々としたテラスには小さいながらプールまであった。 水音はどうやらそこから聞こえるようで、俺は裸の体に備え付けのローブを羽織ってテラ スへと近づいた。 パシャン。 パシャ・・・。 思った通りプールに浅見の姿を見つける。 しかし、ガラス越しに見たその姿に俺は声をかけることが出来なかった。 時折水面をゆったりと撫でながら、たゆたうように仰向けに水に体を浮かべた浅見は全裸 だった。 長い手足、鍛え上げられた彫像のような無駄のない肢体が月明かりに惜しげもなく晒され ている。 夜の帳の中、月の光に筋肉の陰影がくっきりと浮かび上がり、水面がはじく輝きに彩られ たその造形は美しいという他はなく俺は思わず息を呑んだ。 しばし見惚れて引き寄せられるようにガラス戸を開けると扉がカタンと音を立て、浅見は 驚いたように水の中で身を起こして俺の方を見た。 「何をやってるんだこんな時間に」 見惚れていたことなどおくびにも出さずに咎めるような口調でそう言いながら近づくと、 浅見は悪戯を見つかった子供のように首をすくめた。 「あは・・・ちょっと目が覚めちゃって。シャワー浴びようと思ったんだけどこっちが気 持ち良さそうだったからさ。もしかして起こしちゃった?」 プールサイドで足を止めて見下ろす俺を上目遣いに見つめるその表情を可愛いと思い、そ んな自分に苦笑する。 「まあな。事情は分かったが随分と大胆な格好だな。目のやり場に困るぞ」 そう言いながらわざとニヤニヤと目を細めると、浅見は途端に真っ赤になった。 「だって・・・。いいじゃん、どうせだれもいないんだからさ〜・・・」 赤くなったまま口元まで水に潜りながらぶつぶつ呟く浅見に腕を差し出す。 「いつから入ってるか知らないがもういいだろう?いい加減にしないと風邪をひくぞ」 「うん・・・」 努めて優しくそう言ってやると、浅見ははにかみながら素直に俺の腕に掴まった。 水に浮かぶ体を一気に引き上げて腕の中に抱きすくめると、浅見もまた俺の首に腕をまわ して縋りついてきた。 濡れた裸体が密着する生々しい感触に否応もなく胸が高鳴る。 それを誤魔化すようにさらにきつく抱きしめた体のその首筋に小さな赤い痕を見つけた。 ふと見下ろすと、その痕は先ほど清冽なまでに美しいと思った裸身に無数に刻まれていた。 俺がつけた、その身も心も俺のものだというしるし。 すぐに薄れていくようなそんなものに単純に満足感を感じて俺は自嘲気味に喉で笑った。 「ごめん・・・濡れちゃったね」 そんな俺をどう思ったのか、耳元でそう囁いた浅見の声が耳に心地良く響く。 キレイな体。キレイな心。 お前はこの世に二つとはない至高の宝石。 俺はもっと感謝すべきなんだろうな。 お前に愛されていることの幸福を。 与えられる愛に気付かずにそれを失ったどこかのおとぎ話の間抜けな王子になるのは願い 下げだ。 そんな思いをかみしめながら、俺は腕に抱いた俺だけの大切な宝物にそっと口付けを送っ た。 |
直人〜?どうした〜?酔ってるか〜?(笑)
だってK原さんが!!
「直人にとって竜也は宝物だったと思う」
なんて言うから!!(DVD最終巻冊子より)
ありがとうK原さん!!ゴチになりました!!(笑)
裸でプールのシチュエーションは
美男美女が裸体でイチャつき合う
某エステのCMにインスパイアされました。(笑)