LoveLoveSHOW
-naoto Side-

「好きだよ直人」
「ああ」
俺は生返事をしつつ読むともなしに開いていた雑誌のページをめくった。
「大好き」
「ああ」
またページをめくる。
「愛してる」
「ああ」
さらにページをめくる。
「ねぇ直人聞いてる?」
「ああ」
さらにページを・・・めくろうとして目の前から雑誌が消えた。
目線をあげた先では、俺の持っていた雑誌を奪い取ってじと目で睨む浅見の顔があった。
「・・・聞いてない」
俺は大きく溜息をついて雑誌を浅見の手から奪い返した。
「聞いてる。ちゃんと返事してるだろう」
そしてまたページを・・・めくろうとした手の中からまた雑誌が消える。
「嘘だ!思いっきり生返事じゃないか!!人が愛の告白をしてるっていうのに失礼だ
ぞ!」
そりゃ悪かったな。でもな浅見。テープレコーダーの録音再生機能のようなお前の愛の告
白とやらに俺に今さらどんな反応をしろっていうんだ?
「直人は?」
その辺に雑誌を放り投げて、期待に目を輝かせながら俺の目を覗き込んでくる。
俺は無言のまま立ち上がった。
「あ、ちょっと直人どこ行くんだよ」
「つきあいきれん」
そう言って俺はキッチンに足を向けた。
その後ろを浅見はついてくる。
「ずるい!俺にばっかり言わせて!」
「お前が勝手に言ってるんだろうが」
冷蔵庫を開けミネラルウォーターのペットボトルを手に取りそのまま口をつけて流し込む。
「だって「好き」だって思うんだもん。思ったら伝えたいじゃないか」
いつも思うがこういうことを臆面もなく言えるこいつはすごいと思う。
思うがそのお前の理屈を俺に押し付けるな。
ペットボトルを冷蔵庫に戻して口元を拭い俺はまた歩き出す。
やっぱり浅見は後ろをついてくる。
「ねぇ直人ぉ。直人ってば〜」
俺のシャツの裾を引っ張って甘えるその仕種はとてもじゃないが同い年の成人男子とは思
えない。
183cmのガタイのいい男がそんなことをしても・・・可愛いじゃないか、くそ。
「直人のケチ!意地悪!!そうだよ。どーせ俺の方が好きなんですよ!俺が思うほど直人
は俺のこと思ってくれてな・・・」
「浅見」
とある部屋に足を踏み入れた瞬間、俺は立ち止まって浅見を振り返った。
突然の俺の行動に面食らったのか、それまで盛大に喚いていた浅見はぱったりと黙り込ん
だ。
俺はそれにニヤリと笑うと浅見を素早く抱き寄せた。
「少し黙ってろ」
耳元に囁くと同時に濃厚な口付けをお見舞いしてやって、力の抜けた身体をベッドに押し
倒す。
たまたま入った先が寝室だったからその気になったんじゃない。
意図的に歩いてきた俺に気付かず、毎度毎度同じ手に引っ掛かってノコノコついてくるお
前のバカさ加減はいっそ愛しいくらいだよ。
俺の気持ちを知りたいんだろ?
教えてやるよ。
その身体にじっくりたっぷりな・・・。

コトが終わって浅見はそのまま沈み込むように眠ってしまった。
余韻を残してほんのり上気した横顔を見つめながら、起こさないようにそっとグシャグシ
ャになった茶色い髪を梳く。
その柔らかい感触と健やかな寝息を立てる寝顔に、先程散々愛し合ったばかりだというの
にまた愛しさがこみ上げる。
まったく・・・夢中なのはこっちの方だ。
これだけ人を惚れさせておきながらこの上まだ言葉が欲しいだと?
どこまで欲張りなんだこのお坊ちゃんは。
しかし・・・。
いつもいつもボディトークにしちまう俺も・・・ちょっとアレか?
やれやれ仕方がないな。出血大サービスだぞ浅見。
俺はそっと浅見の耳元に唇を寄せた。
「愛してる」
・・・どうだ。ちゃんと言ってやったぞ。
聞いちゃいないだろうが事実は事実だ。
起きた後教えてやったら、
「聞いてないよ〜。ねぇもう1回言って」
とか言ってまた拗ねるんだろうな。
俺はそんな浅見の様子を想像しながら髪に軽く口付け、至極満ち足りた気分で眠りについ
た。

-tatsuya side-

直人が好き。
いつもそう思ってるけど、なんでもない瞬間に強くそれを意識することがある。
例えば今みたいに。
何をするでもなく二人でゆっくり過ごしているとき。
ふと見ると雑誌をめくる直人の端正な横顔がそこにあって、「カッコいいなぁ」なんて思い
つつ、こうして側にいられる幸せをかみしめる。
大好きだって思う。
そう思ったら伝えずにはいられなくて、俺はいつも直人への思いを口にするんだけど直人
の態度はそっけない。
俺はいつだって真剣なのに直人ってば「聞き飽きた」って言わんばかりの生返事。
大体直人には言葉が足りないよ。
そりゃそこが直人らしさではあるけど、俺が言うばっかりじゃなくてたまには直人からも
聞かせて欲しい。
そう思って、雑誌を取り上げて、まっすぐ目を見て、
「直人は?」
って聞いてみた。
あ。思いっきり嫌そうな顔。
おまけに何も言わないで立ち上がってどこ行くんだよ。
「つきあいきれん」?
なんだよそれ〜。傷ついた。それにちょっと腹立った。
俺は直人の後ろにくっついて歩きながら文句を言い募った。
でも直人は全然取り合ってくれない。
俺の方を見もしないで勝手に動き回って、俺は只ひたすらついていく。
直人のケチ。意地悪。
そうだよ。どーせ俺のほうが好きなんですよ。
俺が思うほど直人は俺のこと思ってくれてないんだ。
なんだか悲しくなって、まんま口にしたその時だった。
「浅見」
突然直人が立ち止まって振り返った。
びっくりした。
びっくりしたけどそれ以上になんかやな予感。
直人のこの声、この目・・・げ。ここって・・・!
直人の向こうにダブルサイズのベッドを見たのはほんの一瞬で。
俺は直人の腕に抱き寄せられて熱いキスを送られた。
ずるいよ直人〜〜〜〜〜。
いっつもキスで誤魔化すんだから・・・。
誤魔化される俺もいけないんだけどさ。
だって・・・嬉しいんだもん。
好きな人からのキスが嫌な人なんていないでしょ?
それに・・・それに・・・直人ってば巧すぎ。
その上俺の弱いトコなんか知り尽くされちゃってるもんだから・・・ああホラもう力が入
んないよ〜。
そしてそのまま俺は直人に美味しく頂かれてしまうのだった。

言葉にはしないくせにこういうときだけ正直なんだよな直人は。
散々愛された後、意識を手放すように一度眠りについたけど、何かの拍子にふと意識が浮
上した。
気がつけば直人の手が俺の髪を優しく梳いてくれてる。
気持ちいい・・・。
その心地良い感触に目を閉じたままうっとりとまどろんでいると、隣で直人が体勢を変え
る気配がして、次の瞬間耳元に直人の息遣いを感じた。
「愛してる」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
直人・・・俺が起きてないと思ってるんだろ。
ひどいよなぁ。
これで起きた後また俺がねだったら、「ちゃんと言ったぞ」なんてニヤニヤ笑いながらはぐ
らかすんだ。
でも聞いちゃったもんね。
えへへへへ。どうしよ、嬉しいvvv
「俺もv」って言って抱きついてキスしたいけど・・・ダメダメ。ここはじっと我慢だ。
そんなことしたら照れ屋な直人は二度と言ってくれないかもしれないもんな。
このまま眠れば夢の中でもう1回言ってもらえるような気がする。
俺は至極満ち足りた気分で眠りについた。

お〜い、しょっぱなからコレか〜???
なんか間違ってないか〜???
とひとり突っ込みしつつも・・・
こんな二人が好きなんです。(爆)


<<<BACK