〜聖しこの夜〜 |
「メリークリスマース!」 開いた玄関先で、竜也はシャンパンといっぱいの包みを抱えて息を弾ませながら言った。 その様子に直人は苦笑する。 「・・・随分早かったな」 「うん。浅見のパーティって言ったってひと通り顔見せて挨拶するだけだもん。料理あり ったけくすねてとっとと退散してきちゃった♪」 荷物を直人に預け靴を脱ぎながら竜也は言う。 クリスマスイブ。 本当は最初から直人と過ごしたかった竜也だったが、まがりなりにも浅見の仕事に携わり 始めた今、恒例行事であるクリスマスパーティを無視するわけにはいかなかった。 「待っていてやるから」 という直人の言葉に渋々出かけた竜也だったが、本当にそれでいいのかと思うほど早く帰 ってきたことに直人は呆れた。 「どうせ明日は休みとってるんだ。無理に今夜どうこうする事もないだろうに」 料理と皿をテーブルに並べつつ、頑なに今日にこだわる竜也に溜息をつきつつ呟いた直人 に竜也は声を荒げた。 「何言ってんだよ!クリスマスって言ったらイブだよイブ!!イブに一緒に過ごさなかっ たらクリスマス一緒に過ごしたってことにならないじゃん!!」 直人にはよく分からない理屈だった。 そもそもクリスマスとは12月25日。イエス・キリストの生誕を祝う行事ではなかった か。 24日とはその前夜ということでしかないんじゃないだろうか。 ちらとそう思いはしたものの、もともとあらゆる行事ごとにあまり興味のない直人である。 嬉しそうな竜也を見てすぐにそんなことはどうでもよくなった。 そうこうしているうちに、テーブルの上にはクリスマスらしいディナーがセッティングさ れていった。 その真ん中に、竜也はそっと天使の形をした小さなキャンドルスタンドを置いた。 「何だそれは」 「かわいいでしょ?さっきパーティでもらったんだ。ツリーのかわりにピッタリだと思っ てさ」 お決まりの白い服に白い羽根がかたどられたメルヘンチックな陶器製の天使が赤いハート のキャンドルを掲げ持っている。 言いながら竜也はそのキャンドルに火を灯した。 「・・・なんか甘ったるい臭いがするぞ・・・」 「アロマキャンドルだったみたいだね。そんな嫌そうな顔するなよ〜。後でちゃんと換気 すれば臭いが残ったりなんかしないって」 露骨に顔をしかめる直人に苦笑しつつ、竜也はグラスにシャンパンを注ぐ。 「おい・・・」 さらに眉間に皺を寄せ、非難めいた低い声で唸る直人を竜也はおかしそうに笑った。 「安心してよ直人。直人のはアルコール抜きのお子様用だからv」 ことさら『お子様用』を強調した竜也を直人は間髪入れずグーで殴る。 「ッタァ!殴ることないだろぉ、もう・・・はい」 涙目で頭をさすりつつ竜也は直人にグラスを差し出し、直人はフンと鼻を鳴らしてそれを 受け取った。 「じゃ改めて。メリークリスマス」 「・・・ああ」 グラスを掲げて微笑む竜也に直人も口元を綻ばせ、合わせたグラスのキン・・・という高 い音を合図にその夜は始まった。 しばらくして。 テーブルの上も粗方片付いた頃、立ち上がろうとした直人は眩暈を覚えて思わずその場に 座り込んだ。 「・・・?」 同時に自分の体の変調に気付く。 全身がほのかに火照って、やけに喉が乾く感じがして・・・。 まるでアルコールに酔ったようなその感覚に、直人は自分にシャンパンを注いだ竜也に疑 念を抱き問いただした。 「おい浅見。本当に俺のはノンアルコールだったん・・・だろう・・・な?」 最初こそ詰問よろしくきつい口調だったものの、その勢いは徐々に衰え最後には直人は逆 に言葉をなくした。 改めて向き直った竜也の様子が、傍目に見ても明らかに普通ではなかったからだった。 竜也は目を閉じ顔を赤くしてくったりとソファに寄り掛かり、半開きの口元から浅い呼吸 を繰り返していた。 「おい、どうした?」 「う・・・ん。何か・・・さっきから・・・暑くて・・・」 「お前も・・・?」 「直人・・・も?」 「ああ、少しな。俺はてっきりお前が悪ふざけで酒でも飲ませたのかと・・・」 「しないよ・・・そんなコト・・・」 「そうだな・・・暖房効かせ過ぎてるってわけでもないし一体・・・。まぁとにかくお前 の方がひどそうだな。大丈夫か?熱でもあるんじゃないか?」 そう言って、直人が竜也の肩に触れたその瞬間。 「あ・・・っ!」 ビクリと大きく体を震わせた竜也の口から洩れた悲鳴じみた声に、直人は目を見開いて驚 愕し慌ててその手を離した。 「あ、あ、あさ、浅見?」 聞き覚えのあるその声は特有の艶を帯びていて、直人は激しく動揺する。 「はぁ・・・あ、熱・・・い・・・」 直人の困惑を他所に当の竜也の呼吸はさらに乱れ、竜也は体を両腕で掻き抱くようにして せわしなく胸を上下させた。 上気した頬。潤んだ瞳。熱い吐息。 もはや疑う余地はなかった。 明らかに竜也は『欲情』しているのだった。 しかし原因が分からず、竜也の異常な状態を目の当たりにして熱が冷め、返って冷静にな った直人は思案を巡らせた。 自分は何もしていない。 確かにかなり飲んでいたが普段を考えればあの程度のアルコールで竜也が酔うなどあり得 ない。 そういえばさっきまで自分も少しおかしかった。 原因が同じだとすると・・・。 そこまで考えた直人は、ふと鼻についた甘い匂いにハッとなった。 それは竜也が持ってきたアロマキャンドルの香りであった。 とうに火は消えているものの、換気をしていない為芳香は部屋いっぱいに充満していた。 しかしずっと同じ場所にいた二人は既にその香りに鼻が慣れてしまっていて、全く気にし ていなかったのである。 直人は即座に竜也が捨てたであろうキャンドルの箱を求めてゴミ箱を覗き込んだ。 一番上に投げ込まれていたそれを広げて直人はがっくりとうなだれた。 『アロマキャンドル「天使の媚薬v」恋人とのめくるめく夜を天使のハートが甘〜く演出 v』 けばけばしいピンクで大きく書かれた品名とうたい文句からして、これがいわゆる催淫剤 の一種であることは考えるまでもないことだった。 恐らく竜也は見た目の可愛らしさだけに気をとられて、他のことなど目に入らなかった違 いない。 それを思っただけでも竜也のバカさ加減に眩暈がする直人だったが、続く文章にさらに脱 力した。 『なおアルコールと併用頂きますとさらに効果的ですv』 自分より竜也の方が症状が顕著であることに、なんの解決にもならないとはいえ納得した 直人だった。 (こんなモノほけほけもらってくる浅見も大概バカだが・・・っ!よこす奴もよこす奴だ! なんのつもりか知らんが浅見の御曹司にこんなモン渡すなんざ随分と低俗な輩がいるもん だな) 竜也の周囲にそんな人間がいる事実に虫酸が走る思いで直人は箱を握りつぶし、再度ゴミ 箱の中へ叩き付けた。 と同時に。 「直人っ!!」 「おわっ!?」 一瞬目の前が暗くなったと思った次の瞬間には、直人は勢いよく飛び掛ってきた竜也に押 し倒されていた。 間をおかず服を一気に胸までたくし上げられて直人は色をなくした。 「なっ!?お、おい!!」 慌てふためく直人を意にも介さず竜也は剥き出しの腹筋を舐め上げた。 「っ・・・!!」 ぞくりと背中を駆け上った感覚に直人は総毛立った。 直人にはされる趣味はない。 例え相手が竜也であってもごめん被りたいのが本音である。 竜也にしたところで、いまだかつて直人を抱きたいなどと言い出したことはなかったとい うのに・・・媚薬のせいで男の本性に目覚めたとでもいうのであろうか。 元より体格はさして変わらない二人である。 体格が同じな上武道で鍛えた男の力で本気で押さえ込まれたらいくら直人でもまずい状況 であった。 暴れる直人にお構いなしに胸元に口付ける竜也の髪を直人は引っ掴み、渾身の力で引き剥 がした。 「この・・・っ!いい加減・・・にっ!?」 一瞬安堵したのも束の間、今度は噛み付かんばかりの勢いで唇を塞がれる。 そのまま舌をねじ込んでくる竜也についに直人もキレた。 (こいつ!!ラリってるからって調子に乗りやがって!この俺を押し倒そうなんざいい度 胸じゃないか、浅見のくせに!!) 髪を掴んでいた手を離して竜也の頭を強く抱きこむと、直人は激しく舌を絡め逆に竜也を 責めた。 「ふ・・・ん・・・っ」 弱いところを知り尽くした直人の攻撃的なキスに竜也はあっさり降伏する。 竜也が大人しくなったのを見て取って直人が唇を離すと、潤んだ竜也の目が名残惜しげに 揺れた。 「なおとぉ・・・」 竜也は直人の腰の上にまたがったまま、熱っぽく直人を見つめ物欲しげに腰を揺らめかす。 いつもより数段大胆な竜也に直人は複雑な心境である。 こんなにも恥じらいなくあからさまに欲しがる竜也を目にするのは実は初めてかもしれな くて少しばかり戸惑った直人だったがすぐに頭を切り替えた。 知らぬこととはいえ媚薬を使ったのは竜也本人なのだ。いわば据え膳。何がどうなろうと それは全て竜也のせいだ。 そう決め付けて、直人は竜也を見上げて口元を酷薄に歪めた。 このご都合主義な思考・・・直人にもまたしっかり媚薬の効果は現れていた。 『天使の媚薬』恐るべしである。 「・・・欲しいのか?」 分かりきっていることを意地悪く囁きながら、直人はジーンズ越しに竜也の尻を撫で回し た。 「ああ・・・や・・・ソコ・・・」 そして双丘の間に指を滑らせ、その奥を探る。 「ココに?」 グイグイと押し込むように強くソコを刺激され、竜也はそれだけで崩れ落ちそうになりな がら声もなく何度も頷いた。 その竜也の様子に直人はフッと笑うと、それきり竜也から手を離してしまう。 僅かな刺激に打ち震え、今や更なる刺激を欲して疼く身体を放り出されて、竜也は不安げ に直人を見つめた。 「な・・・なおと・・・?」 『なぜ?』と問い掛けるような竜也の眼差しに直人は口端を上げて笑ったまま残酷に言い 放った。 「欲しいのなら自分で準備するんだな」 竜也の目が大きく見開かれる。 何を言われたのか分からないというように困惑を露わにする竜也に直人はさらに続けた。 「分かるだろ?自分で開いて解すんだ。俺が入れるようにココを・・・な」 言いながら竜也の双丘の狭間を指でなぞる。 淫猥なその指の動きに、もどかしげに腰をくねらせながら竜也はふるふると首を横に振っ た。 「やだ・・・そんなコト・・・できな・・・」 「出来ないなんて言える立場か?俺が欲しくてどうしようもないんだろ」 「あぅ・・・いや・・・ど・・・して・・・っ」 「この俺を押し倒そうとした罰だ。ほら、早くしろよ」 「やっ!!」 起き上がり腕を伸ばしてきた直人から逃れようと竜也はとっさに身を翻すが、直人の方が 行動が素早かった。 逃げを打つ竜也を後ろからきつく抱きすくめて、耳元や首筋を吐息でくすぐる。 そして片手を竜也の足の間に滑らせた。 「あぁっ」 「少しぐらいなら手伝ってやるぜ?」 そう囁いて、直人は竜也の前を手早く開く。 「あっあっ・・・や・・・っ」 邪魔な布地が取り除かれ外気に晒された竜也の中心は、既に硬く張り詰めてそそり勃ち先 端から蜜を滴らせていた。 「すごいな・・・もうこんなに濡らして」 「い・・・あ・・・はぁ・・・ん」 裏筋をなぞり上げられ、ニチャニチャと音をたてて先端を指先で揉まれ、竜也は直人の腕 の中で身悶える。 甘い愛撫に恍惚としながら酔い痴れる竜也にほくそ笑み、直人は竜也の手を取ると奥へと 導いた。 ソコに指が触れた瞬間、正気づいたように竜也の身体が強張る。 それを無視して、直人は竜也自身の指を最奥に押し込んだ。 「や・・・いやぁっ!!」 「こんな状態でやせ我慢してても自分が辛いだけだぞ。さあ、やれよ」 「あ、あ・・・ひっ・・・ふぁ・・・」 そのままゆるゆると無理矢理手を動かされる。 最も敏感な粘膜への直接的な刺激がもたらす圧倒的な快感の前には、なけなしの理性や羞 恥心などというものはあまりにも無力だった。 竜也の手が自らの意思でもって快楽を貪り始めるのに時間はかからなかった。 「あん・・・ん・・・ん・・・」 自己的な快感に溺れ、それ以外の感覚は全て、直人の存在さえも意識の外に閉め出して、 我を忘れて没頭しかけていた竜也の腰を唐突に直人が強く掴んで引き寄せた。 「あ・・・っ」 一気に現実に引き戻され、竜也は自分がしていた行為に対する羞恥心でいっぱいになって、 真っ赤になって俯いた。 そんな竜也の耳元に直人は囁いた。 「このままじゃやりづらいだろ」 「な・・・」 そして言うが早いか、竜也に有無を言わせずジーンズを下着ごと引きずりおろし足を抜い て放り出してしまった。 「やぁっ!見るな・・・あ!!」 指を穿ったままの下半身をさらけ出され、羞恥のあまりに竜也は何とかそこを隠そうと膝 を擦り合わせてうずくまるように身を縮めた。 止めなければと思うものの一度走り出した身体は容易には止まらず、どうしてもそこから 指を抜くことが出来なくて、竜也はさらに居たたまれなくなって目元に涙を滲ませた。 そんな竜也を直人はそっと抱きしめる。 髪を梳き、耳元にキスを落とす優しい仕草とは裏腹に、言葉は何処までも残酷だった。 「なんだもう2本も咥え込んでるのか。それも付け根まで深く・・・。まだ足りないんだ ろ?遠慮せずに続けろよ」 「う・・・く・・・」 わざと嬲る言葉とともにそこを視姦する直人の視線を感じて、竜也は動けないまま嗚咽を 漏らした。 「浅見・・・」 直人はうずくまって震える竜也の身体に腕を絡ませ全身を密着させた。 「っ!!」 そうすることで竜也の腰に直人の腰が押し付けられる。 ジーンズの固い布地を押し上げる直人の昂ぶりをはっきりと感じて、竜也は背筋にぞくぞ くと震えが走るのを感じた。 「浅見・・・」 耳朶を噛みながら名前を呼ぶ声が情欲にかすれている。 竜也を苛めて焦らしながらも、強要された一人遊びに耽る竜也の痴態は直接触れずとも直 人を極限まで昂ぶらせていた。 まだ身に着けたままの竜也の白いセーターの中に腕ごと手を潜り込ませ、直人は汗ばんだ 肌を弄る。 コリコリに立ち上がった乳首を指先に捕らえ、押しつぶすように揉みしだいては先を爪で 弾く。 隆起した腹筋をなぞるように撫で、弱いトコロを重点的にくすぐる。 耳から首筋を舐めねぶり、時折きつく吸い上げる。 「は、あ・・・あぁ・・・ん・・・」 蕩けるような直人の愛撫が、竜也から再び理性と羞恥心を奪い去った。 腰に感じる直人の熱が欲しい。 そんな欲望だけに竜也の意識は塗り潰され、奥に穿たれた指がまたゆっくりと動き始めた。 「ああ・・・あふ・・・くぅんっ・・・」 その抽挿は次第に激しくなり、いつしかそこはクチュクチュという淫らな音をたて、竜也 はそれに煽られるように子犬のように鼻を鳴らして乱れた。 「は・・・なお、とぉ・・・。も・・・もう、もういい・・・から・・・あ・・・来て・・・」 切れ切れに懇願する竜也の言葉に直人は首筋から顔を上げる。 「もういい・・・?」 問い掛ける直人に竜也は大きく首を上下に振る。 「本当に?」 「ん・・・ホント・・・っひぁぁっ!!」 念押しする直人に頷こうとして果たせず、竜也は仰け反って悲鳴を上げた。 竜也が指を入れたままのそこに直人が自分の指を2本強引に突き入れたのである。 そして竜也の指を絡め取るようにして奥を強く突き上げた。 「あぐっ!あ・・・っ、あ――――――っ!!」 合計4本の指に中を広げられ抉られ、竜也は髪を振り乱して悶絶した。 指が無遠慮にイイトコロを擦る度に、今にも爆発しそうなほど張り詰めた竜也の先端から は多量の蜜が溢れ出る。 「はああっ!ひぃ・・・っああああっ!!」 「熱いな・・・確かに蕩けきってるようだが・・・」 休みなく竜也を責めながら直人が呟く。 「にしても随分と気持ち良さそうじゃないか、え?このまま指でイケそうだぞ。どうする? イクか?」 その言葉に竜也は激しく首を横に振った。 「いや・・・指じゃイヤ!直人が・・・あっ・・・直人ので・・・っイカせて・・・ぇ!!」 恥も外聞もかなぐり捨てて泣き叫ぶ竜也に直人は満足そうに笑うと、竜也の中から指を全 て引き抜き、竜也の体を床にうつ伏せ腰だけを高く持ち上げた。 床に伏せた竜也の背後でジッパーを下げる音が響く。 間をおかず、直人は竜也の背に覆い被さり囁いた。 「・・・ご褒美だ」 そして身を起こすと同時に竜也の腰を強く掴んで引き寄せ、一気に最奥まで刺し貫いた。 「あ――――――・・・っ!!」 待ち焦がれた熱と質量に竜也は歓喜の声を上げる。 「ああっああっああっ!」 焦らすことなく、続けざまに前立腺を強く突かれ、竜也はあっけなく絶頂を迎えた。 激しい射精の余韻に浸ってうっとりとした表情さえ浮かべて肩で息をする竜也の腰を、ま だそのままの直人がその存在を主張するようにゆるく揺すり上げる。 「あふ・・・」 その刺激にもれた声は甘く、内壁は達したばかりにもかかわらず中の直人を貪欲に締め付 けた。 その反応は「もっと」と続きをねだっているようで、直人は愛しそうに竜也の髪を撫でた。 「まだまだ・・・これからだ。な?」 諭すようにそう言ったかと思うと、直人はおもむろに竜也から自身を引き抜いた。 「・・・?」 言動が一致しないその行動に竜也が訝しげに直人を振り返ると、直人は服を全て脱ぎ捨て ソファに座って竜也に手を差し出した。 「来い」 短く告げられた言葉に誘われるまま、竜也はゆっくりと起き上がりおずおずと直人を跨ぐ ようにその膝の上に乗り上げた。 「直人・・・」 恥ずかしそうに頬を赤らめ視線を合わそうとしない竜也に直人は何度も啄ばむようなキス を送り、次第に角度を変えて深く口づけながら着たままだった竜也のセーターを脱がせて いった。 ソファの上で全裸で抱き合い、ひとしきり二人は口づけに酔う。 「浅見」 「うん・・・」 やがて促す直人に竜也は頷き、直人の肩に両手を添えてそそり勃つ直人の楔へと腰を落と していった。 「んぅ・・・く・・・」 先程まで直人を咥え込んで蕩けていた窄まりは容易に直人を受け入れていくが、自ら貫く ことに慣れていない竜也の顔には苦悶の表情が浮かぶ。 肩に添えた指先が皮膚に喰い込んで震える。 それでも竜也は息を深く吸い込んでは吐いて、懸命に直人を受け入れ全てを内に納めきっ た。 内壁をめいっぱいに広げて熱く脈打つ直人を感じながらもそこから動くことを躊躇ってい ると、つと直人の指が背中を滑り先を急かされた。 熱に潤んだ目で何とか睨んでみるものの全く効果はなく、直人は意地悪く笑うだけで。 竜也は意を決して腰を持ち上げた。 「あ・・・っ」 ギリギリまで引き抜いてまた深く腰を落とす。 「ああ・・・っ」 何度か繰り返すうちに自ら奥を貫く苦しさは快感にすりかわり、段々竜也の腰使いは激し いものになっていった。 上下させるだけだった腰を前後に揺らしたり円を描くようにグラインドさせたり。 竜也は夢中で直人を貪った。 もちろん竜也が溺れれば溺れるほど、直人もまたこの上もない快感を享受していた。 心地良い竜也の奉仕に身を任せつつ竜也を抱き寄せ、目の前で揺れる赤く熟れた果実を味 わうようにねっとりと舌を絡めてきつく吸い上げる。 「んん――――――っ!」 胸元からの刺すような刺激に竜也は大きく仰け反って喘ぐ。 また抱き寄せらてより体が密着したことで勃ち上がった竜也の中心が直人の腹にすれて擦 られ、そのたまらない快感に竜也はさらに狂ったように腰を振った。 「ああっ!こ、こんな・・・ぁ・・・ヘンになっちゃう・・・ぅっ!!」 「いいぜ浅見・・・っ。最高だ・・・!!」 竜也の感じる快感はダイレクトに内壁に伝わり、その度にきつく締め付けられ直人も理性 の限界を超えた。 勢い、竜也の腰を指が食い込むほど強く掴んで竜也に合わせて下から思い切り突き上げこ ね回し揺さぶる。 「あああああっ!なおとぉ・・・!すご・・・いぃ・・・っ!!あっあっ」 「・・・っあさ・・・み・・・ぃ!!」 媚薬に犯され、快楽の深淵に堕ちた二人は獣のように何度もお互いを貪った。 「随分と大胆なクリスマスプレゼントだったな」 翌朝・・・といってももう日も昇りきった頃、ベッドにうつ伏せに沈み込んで動くことも ままならない竜也の髪を撫でながら直人は笑った。 その顔はスッキリと満ち足りたものだった。 「ちがう・・・誤解だよ・・・そんなつもりじゃなかったんだ・・・」 掠れた声を絞り出して竜也はうめく。 「何が違うんだ。あんなドラッグじみたモノ使っておいて」 もちろん竜也にそんな意図がなかったことなど承知の上で直人はわざとからかう。 「知らなかったんだってば〜。ホントに違うって〜」 竜也は枕に顔を埋めたままじたばたと悶えた。 媚薬に犯されていたとはいえ自分のしたことははっきりと覚えている竜也である。 仮にも聖夜と呼ばれるような夜をこれ以上ないほど本能的に過ごしてしまったことに竜也 は穴があったら入りたい気分だった。 昨夜の行為を思い出しただけで顔から火が出そうで、出来ることなら記憶から抹消した い・・・などと思っている竜也の気も知らず、直人は性懲りもなく竜也の腰に腕をまわし てきて、竜也はギクリと身を竦める。 「俺は十分満足だ。何なら今日もずっとこのままでいいぞ」 そんな恐ろしい台詞とともに背中に口づけられ竜也は飛び起きた。 「じょ、冗談じゃないよ!今日はクリスマスプレゼント一緒に買いに行くんだから!!」 「もうもらった」 「だからそれは違うって・・・あ!ちょ、どこ触ってんだよ!?あん・・・や・・・ホン トもうヤダって言・・・ああん!な、直人のバカ〜〜〜〜〜〜〜〜〜っ」 この後クリスマスを二人がどう過ごしたかは・・・神のみぞ知るところ。 |
『天使の媚薬』
そんな商品ありません。念の為。
ある意味
ちゃんとクリスマスにアップしなくて
よかったなぁと思います。
ほんとアホでごめんなさい。(爆)