| Surprise Kiss |
「ヒック」 「・・・・・」 「・・・ック」 「・・・・・」 「ヒャック」 「・・・・・バン大丈夫?」 デカベース内にあるデータルーム。 さして広くもない静寂な空間に途切れることなく続く伴番のしゃっくりに、仙一はキーを 叩く手を止め、モニターを見つめていた視線を上げた。 「あ〜、ウック!悪いセンちゃん・・・ッ!うるさいよね・・・、ヒック」 心配げな仙一の言葉に伴番は申し訳なさそうに呟く。 その間ももちろんしゃっくりは止まらない。 「そんなことないけど。随分長く続いてるよね」 「そうなんだよな〜・・・ック。なーんか・・・ック!止まんなくってさ〜、ヒック」 朝出勤してデカルームに集まった時、既に伴番はしゃっくりをしていた。 特に事件もない本日、伴番と二人でデータ整理を割り当てられた仙一は、日頃から密かに 多大な想いを寄せている伴番と公然と二人きりになれることを内心喜んでいたのだが、こ れでは会話もままならず・・・仙一としてはいささか不本意な状況であった。 何とかして伴番のしゃっくりを止める方法はないものか。 顎に手を当てて思案し、顎の先を指でなぞっていた仙一の手がぴたりと止まった。 同時にその口元が笑みを形作る。 当の伴番はといえば、只でさえ苦手なデスクワークに加えてしゃっくりによってすっかり 調子を狂わされ、いつになくイライラとした面持ちでキーボードとマウスと格闘しつつモ ニターを凝視していて、仙一の様子までは全く気が回っていない。 そんな伴番の背中越しにふと仙一は言った。 「ねぇバン。良い方法知ってるんだけど・・・しゃっくり止めてあげようか」 「え!マジで!?」 いい加減止められるものなら止めたいと思っていた伴番は仙一のその言葉に目を輝かせ、 弾かれたように振り向いた。 「え・・・」 しかし振り向いた途端眼前に仙一の制服の胸の辺りがあって、勢いぶつかりそうだった伴番 は驚いて一瞬息を呑んだ。 先程まで後ろの席に座っていたはずがいつのまにか自分の後ろに立っていた仙一に対して、 椅子に座ったまま一呼吸遅れて伴番が目線を上げたのと、仙一がマウスに置かれていた伴番 の手を上からそっと握り込んだのはほぼ同時。 仙一を見上げた伴番の視界は彼の表情を映すことなく覆い被さってくる影に覆われ、ほど なくして唇に温かく柔らかい感触が押し付けられた。 それは時間にしてわずか数秒だったが、その間伴番は呼吸も忘れて目を見開いたまま凝固 した。 ゆっくりとぬくもりが離れていくのに並行して伴番の視界に光が戻ってくる。 目の前に微笑む仙一の顔が像を結び、固まっていた伴番は一気に正気を取り戻した。 何が起きたのか悟ると同時にカッと頭に血が上り、伴番は首まで赤くして思わず腕を振り 上げた。 「な・・・っに、すんだよっっ!!」 「おおっと」 勢いよく振り回された腕は仙一を捕らえることなくむなしく空を切る。 憤りのおさまらない伴番はその勢いのまま立ち上がり、やおら仙一の胸倉を掴み上げた。 「センちゃん・・・っ!!」 「ホラ止まったでしょ」 「何がっ!?」 「しゃっくり」 「え・・・あ・・・?」 伴番に詰め寄られても仙一は飄々とそれを受け流し、指摘されて初めて伴番はあれほどし つこかったしゃっくりが完全に止まっていることに気がついた。 「良かったねぇバンv」 「え、え・・・う、うん・・・」 毒気を抜かれてすっかり脱力した伴番の腕を胸元から優しく解きながら仙一は言う。 それに伴番は戸惑いながらも頷いた。 そんな伴番に仙一はにっこりと笑ってその肩に手を掛け、そっと押し戻すように伴番を椅 子に座らせ直した。 「さてと。それじゃあこれでやっと本腰入れて仕事に取り組めることだし、俺コーヒーで も淹れてくるからv」 そう言って仙一は鼻歌でも歌いだしそうなほど上機嫌に足取りも軽く一人データルームを 出ていった。 残された伴番はどこか釈然としない気持ちを抱えつつ、それでも何も言えずに呆然と仙一 の背中を見送った。 無意識に指でなぞった唇に先程の感触が甦って、伴番は思わず赤面する。 慌ててごしごしと袖で口をこすりながら、伴番はぽつりと呟いた。 「やっぱ・・・センちゃんって分かんねー・・・///」 |
しゃっくりの止め方の代表格といえば
「驚かす」「10秒間息を止める」
だと思ってるんですけど間違ってますか?(汗)
実は若かりし頃の体験談だったりして。
(ははは時効時効)
いつか絶対ネタに使ってやろうと
心に誓ってたんですが(腐女子って・・・)
なかなか嵌るカプとネタの相性が合わなくて・・・
この度やっと念願成就。(大笑)
ベッタベタですいません。