| Don't cry baby -青赤Ver.- |
「なぁなぁ相棒」 「・・・・・・」 「なぁってば」 「・・・・・・」 「おーい。あいぼー」 「・・・・・・」 「相棒!」 「・・・・・・」 「相棒相棒相棒相棒あい・・・」 「うるさいっ!!」 地球署署員に各々あてがわれている独身寮の一室。 SPD・戸増宝児の部屋にて家主である宝児の怒声が響き渡ったのは時刻にして PM10:40。 防音完備とはいえ常識的に言って近所迷惑な時間である。 宝児は先ほどまで向き合っていたディスプレイから目をそらし、キーボードをたたく手を 止めて椅子に座したまま足元を睨んだ。 そこには、カーペットの床の上でクッションを抱えて体育座りしている伴番の姿があった。 伴番はそんな宝児を負けじと上目遣いで睨み返し不満も露わに唇を尖らせた。 「なんだよ!相棒が返事してくれないからだろ!?」 「相棒って言うな!大体俺は仕事をしてるんだ、見れば分かるだろう!?邪魔をするな!」 「だからなんで仕事してんだよっ!!」 伴番のもっともな意見に宝児は一瞬言葉に詰まる。 緊急出動ともなればともかく、勤務時間外である以上わざわざ自宅でデスクワークをする 必要はないといえばないのだから。 あまつさえ、せっかく訪ねてきている可愛い恋人を放っておいてまで。 「・・・今日中に終わらせる予定だったデータ処理がまだ済んでいないんだ」 「そんなの・・・明日やりゃいいじゃん。急いでるわけじゃないんだろ?」 「そういう問題じゃない。今日やると決めた仕事を明日に引き伸ばすようではプロ失格だ。 俺はそんなことはしない。・・・お前と違ってな」 最後にフンと鼻を鳴らして宝児はまたディスプレイに向き直った。 その態度に伴番はいきり立って立ち上がりクッションを床に投げつけた。 「何だよそれ!いいよもう俺あっちで一人で遊ぶから!相棒はいつまでもそうやって仕事 してればいいだろ!相棒のバカ!仕事人間!!」 そんな捨て台詞を残して伴番は部屋を飛び出した。 勢いよく閉じられたドアに宝児はふと手を止め、大きく溜息をついて肩を落とした。 部屋を飛び出した伴番はその勢いのまま隣の寝室に飛び込み、勝手知ったるベッドの上へ と体を投げ出した。 (相棒のアホ、石頭、オタンコナス!相棒なんか・・・相棒なんか・・・っ!) うつ伏せて、心の中で宝児への文句を並べ立てながらひとしきりポカポカと枕を殴ってい た伴番だったが、それも長くは続かなかった。 気が晴れるでもなく一抹の空しさを感じて、伴番は今度は仰向けに寝そべり天井を見上げ て大きく息をついた。 (相棒・・・マジでそんなにウザイのかな・・・俺のこと) 先ほどの声を荒げた宝児の表情が目の前に浮かんで、伴番の胸はちくりと疼いた。 (俺は相棒ともっと一緒にいたいって思ってるのに。相棒は違うのかな・・・) 毎日顔をあわせるとは言ってもそれは職場で仕事上でのこと。 二人は仲間であると同時に恋人同士でもあるのだから、プライベートでの二人の時間をも っと密に過ごしたいと・・・そんな風に伴番が思うのは至極当たり前のことなのだが。 そうした想いが当の相手とすれ違っているらしい現状に伴番はとめどなく落ち込んだ。 「それに・・・最近全然シテないしさ・・・」 思わず声に出してそう呟いて伴番は一人赤面した。 実のところ、この日宝児が仕事中であったにもかかわらず、伴番が強引に宝児の部屋に押 し掛け上がり込み居座っていたのは少なからずそれも期待してのことだった。 『スペシャルポリスの辞書に暇という文字はない』の言葉通り毎日毎日とにかく忙しく、 おまけに非番や遅番といったシフトがそうそう自分達に都合よく回るわけもない中、ゆっ くりと会う時間さえままならないのでは当然夜の生活もままならないわけで。 恋人を持つ身で心身ともに健康な成人男子である伴番は身も心も欲求不満なのであった。 「宝児」 いつもの『相棒』の呼称ではなく、もっぱら二人の時にしか呼ばない名前を口にするとま すます切なくなって、伴番は頭から布団を被ってベッドの中へ潜り込んだ。 すると。 (あ・・・宝児の匂い・・・) ぬくもりと共にベッドに染み付いた宝児が愛用しているコロンと宝児自身の残り香を強く 感じて、伴番は無意識に胸を高鳴らせた。 陶然と目を閉じて鼻先をシーツに擦り付け何度も深呼吸を繰り返す。 (こうしてると・・・なんか宝児に抱きしめられてるみたいだ) そう思った瞬間、背筋がぞくりと粟立って伴番は息を詰めた。 (・・・っやば・・・っ!) 覚えのあるその甘い感覚に伴番が戸惑う間もなく、一瞬でスイッチが入ってしまった体は 本人の意思を無視して急速に熱を持ち火照りだした。 (わ、わ・・・どうしよっ。まずいよこんなとこでこんな・・・!と、隣にいるのに・・・!) 己を戒める為に壁一枚隔てた隣の部屋に宝児がいることを意識しようとして伴番は墓穴を 掘った。 脳裏に描いたのはデスクに向かう宝児の姿。 淀みなくキーを打つその長い整えられた指先・・・。 「あ・・・」 その指が。 どんなに器用に肌を滑って自分を煽り昂ぶらせるか伴番は知っている。 「ほう・・・じ・・・」 恋しいその名を呼んで吐き出した吐息は熱を帯びて震え、箍が外れた伴番は体を丸めなが らゆっくりと自分の掌をシャツの中へと潜り込ませた。 「ん・・・は・・・」 いつも宝児が辿る指先のラインを思い出しながら片手で肌を弄り、もう一方の手を口元へ と運び指を口内に差し入れ口づけをねだるようにそこに舌を絡ませる。 「ふ・・・うん・・・っ」 指先が胸の飾りに触れるとそこは既に固くしこっていて、素直すぎる己の体の反応に伴番 は羞恥を感じてますます煽られていった。 (あ、あ・・・ダメ・・・ダメだって・・・) 心の中でそう繰り返しながらも手は胸元から腹を滑り降り、閉じた両足の間に潜り込む。 ジーンズの硬い布を押し上げている欲望を押さえつけるようになぞればもう歯止めは利か なかった。 口内を弄っていた手もそこから抜き去り、両手で慌ただしくベルトを外しジーンズの前を くつろげ直に欲望に触れる。 「はあぁ・・・っく・・・っ!」 途端に体中に走った快感に思わず声を上げて喘いでしまい、伴番はハッとなって着ている シャツの裾を口に銜えた。 そうやって声を殺しながら伴番は唾液に濡れた指を滾る欲望に絡ませ夢中で梳き始めた。 宝児のベッドで、宝児の匂いに包まれて、宝児の指を思い出しながら、宝児を想って。 「んん・・・んぐ・・・んんう・・・!」 (宝児・・・宝児・・・宝児・・・!) 先端からとめどなく溢れる蜜が次第に白く濁り始め、後もう少しで頂点まで上り詰められ るというその瞬間。 カタン。 「!!」 徐に聞こえたドアの開く音に伴番は目を剥いて固まった。 「バン・・・」 続いて聞こえたその声に思わず答えた伴番の声は焦りの為に派手に裏返った。 「あ、あいぼう?」 「俺の部屋だぞ。他に誰がいるんだ」 伴番の反応をどう思ったのか、宝児は呆れたような口調でそう言うとドアを閉めてベッド へと歩み寄りその端に腰を下ろした。 宝児の重みを受けてギシリと音を立てて揺れたベッドに、びくっと身を強張らせた伴番の 全身にダラダラと嫌な汗が流れた。心臓は今にも飛び出さんばかりの勢いでバクバクと跳 ねている。 なぜならば。布団の中で丸まった格好の伴番の欲望はこの状況にも萎えることなく張り詰 めたまま、伴番の手はそこを握り締めて離せないままだったからである。 「え・・・と、も、もう、終わった・・・の?」 生唾を飲み込みつつ伴番は何か言わなくてはと声を絞り出した。 「終わってはいない。だが・・・どうにも集中できなくて効率があがらないからやっても 無駄だと判断した。・・・お前のせいだぞ」 「え・・・?」 「お前が拗ねるから・・・気になってどうしようもないんだ」 溜息混じりに、けれど優しい声でそう言われて伴番は嬉しくなった。 しかし、それに体も顕著に反応し手の中の欲望が脈打ち伴番は焦りまくった。 「そ、そうなんだ。あ、で、でももういいよ。俺のことは気にしないでいいから相棒、仕 事終わらせてこいよ」 「何?」 予想外の伴番の言葉に宝児は眉間に皺を寄せた。 宝児とて愛する恋人の来訪が嬉しくないわけでは決してなかった。 ただタイミングが悪かった。普段であれば仕事を家に持ち帰ることなど滅多にないのだが たまたま今日に限ってそうだった。 構ってやりたい気持ちは山々だったが、かといってプロとしての己の信条を曲げるわけに はいかなくて、結果的に伴番をほったらかしにしてしまった。 飛び出していったきり静まりかえる隣室を思い寂しがらせてしまったことを悔いて仕事を 中途で切り上げて・・・きっと機嫌を直して喜ぶだろうと思っていたところに突き放すよ うな物言いをされて宝児は声を低くした。 「どういうことだ。せっかくこうして来てやったのにまだ拗ねる気か。それにおい、いつ までそうやって隠れてるんだ。顔ぐらい見せろ」 言いながら伴番がひき被った布団に手をかける。 伴番は飛び上がらんばかりに慄き布団を体で必死に押さえつけた。 「や、やだ!いいからほっといてくれよ!あっち行けってば!!」 とっさにそう喚いた伴番の言葉に宝児は今度こそ眉を吊り上げて怒鳴った。 「何だと!?散々好き勝手しておいてお前一体どういうつもりだ!!大体ここは俺の部屋 でこれは俺のベッドだぞ!俺に出て行けという前にお前が出てこい!!」 そう言って布団の上から伴番に圧し掛かり、力任せに布団を剥ぎにかかる。 「ひっ!やめ・・・っ!嫌だ相棒・・・!だめぇ・・・っ!!」 伴番はもがいたが不自然な体勢ではろくな抵抗も出来ずにあっという間に布団は剥ぎ取ら れてしまった。 「な・・・・・」 「〜〜〜〜〜っ」 曝け出された光景に宝児は絶句し、伴番は見られた羞恥に顔を真っ赤に染めて固く目を閉 じ唇を噛み締めた。 気まずい空気の中、あられもない伴番のその姿をしばし無言で眼下に見下ろしていた宝児 が不意に動いた。 「バン」 伴番の体の脇にそっと手をつき柔らかく髪に触れ、耳元に名前を囁く。 伴番は宝児のその声に小さく身震いして、居たたまれなさそうに眉を下げたまま恐る恐る 目を開いて宝児を見上げた。 そんな伴番の視線の先で宝児は目を細めニヤリと口端を吊り上げて笑った。 「『一人で遊ぶ』というのは・・・こういう意味だったのか?ん?」 意地の悪い明らかに揶揄かっている宝児の口調と表情に伴番は目を見開き首まで赤くして 宝児を突き飛ばした。 「痛・・・っ!お前な・・・!」 「相棒が悪いんだもんっ!!」 勢いベッドの下まで転げ落ちた宝児は起き上がりざま抗議する構えで口を開いたが伴番に 先を制された。 その上当の伴番は衣服の乱れもそのままにベッドの上でしゃがみ込み、シーツを握り締め て大粒の涙をこぼしていて、宝児は黙るしかなかった。 「お、俺をこんな体にしたのは相棒だもん!俺がこんなヤラシイ体になっちゃったのは相 棒のせいなんだもん!なのに・・・なのに相棒が俺のこと放っとくから!だから・・・! みんなみーんな相棒が悪いんだもん〜っ!!」 一息にそう捲くし立てて伴番はわーっと泣きじゃくった。 年甲斐もなくともすれば幼いとさえ言えるその振る舞いはいっそいじらしく、胸に込み上 げる愛しさに宝児はゆっくりとベッドに乗り上げ、泣き続ける伴番を胸に抱きしめた。 「すまん」 はっきりとそう言って抱きしめる腕に力を込める。 「揶揄かったりして悪かった。寂しい思いをさせてしまったことも謝る。だからもう泣く な。頼むから泣かないでくれ」 なだめるように何度も髪や背中を撫でていると、徐々に伴番の体から強張りが解け、しゃ くり上げる嗚咽は小さくなっていった。 腕の中で身動ぎするのを感じて宝児が腕を弛めると、伴番は泣き腫らした赤い目で恥ずか しそうに宝児を上目遣いに見つめた。 「ほーじ・・・」 甘えを含んだその声と潤んだ大きな瞳に吸い寄せられるように宝児は唇を寄せ、伴番は目 を閉じた。 向かい合って抱き合いながら口づけ、唇を離した後額をくっつけ合って、どちらからとも なく照れ臭さから笑いがこぼれた。 「・・・で?どうするんだ?」 やがて改まって宝児がそう言ったのに伴番は何のことか分からずにきょとんとして小首を 傾げた。 「お前、言っただろう?全部俺のせいだと。俺としては色々と責任を取ってやるのにやぶ さかでないんだが・・・お前が自分でするというのなら俺に止める権利はないからな」 一転してニヤニヤとまた人の悪い笑みを浮かべてそんなことをのたまいながら下肢に手を 伸ばしてきた宝児に伴番は己の醜態を思い出し、湯気が出そうなほど一気に全身を朱に染 め上げた。 「バ、バカ・・・ッ!」 思わず振り上げた腕は可笑しそうに笑う宝児に簡単に掴まれ、そのまま再度胸の中へと抱 きすくめられた伴番は悔しげに唇を引き結んだもののそれ以上暴れることはせず、大人し く抱かれるままに自分も宝児の体に腕をまわして囁いた。 「責任持って・・・宝児がちゃんと触って・・・」 「・・・roger・・・」 |
実はお友達の某嬢への貢ぎ物でしたv
なので青い人が余所行き使用で
ウチのサイトにあるまじき別人ぶりです!(笑)
がんばってラヴい青赤を目指したつもりの一品v