| Christmas Eve |
PM7:00 とあるレストランの一席に宝児は座っていた。 今日はクリスマス・イブ。 窓の向こうに目を向ければ、煌びやかな街並みに数多のカップルが笑いさざめき寄り添っ て歩いている。 それを見つめながら宝児は待ち人を心に思い描いた。 ずっと密かに想いを募らせていた。 想えども余計なプライドが邪魔をしてどうしても素直に接することが出来なかった昨日ま での日々。 だが今日こそは・・・! と宝児は一世一代の決意を固め、今日という日に全てを掛けて彼の人を誘い、こうして待 ち合わせの場へと赴いていた。 指定した時刻はPM8:00。 ふと時計に目をやり、一時間も早く来てしまった自分に苦笑しながら宝児はコーヒーを口 元へと運んだ。 PM7:00 「お待たせ!」 息を弾ませながら伴番は言った。 とある公園の時計の下。 駆け寄る伴番に仙一は笑顔で答えた。 「ううん。俺も今来たばっかりだよ」 「そっか、良かったv」 「でも同じトコに住んでるのにわざわざ外で待ち合わせることもなかったんじゃない?俺 の方で部屋まで迎えに行ってあげたのに・・・」 「いいじゃんクリスマスだもん!何か、さ・・・その・・・いかにも恋人同士みたいで・・・ たまにはいいだろ?」 照れ臭そうにそう言いながら顔を赤らめる伴番に仙一は目を細めた。 「そうだねvじゃ、行こうか」 「うん!」 足を進める仙一について歩き出そうとして、伴番はふと立ち止まって時計を見上げた。 業務が終わって着替えようと開いたロッカーの中に入っていた一通の手紙が脳裏をよぎり、 伴番は思わず表情を曇らせた。 「バン?どうかした?」 「う、ううん、何でもない!さ、行こ行こ!!」 「???」 自ら仙一の背中を押して歩きながら伴番は心でぽつりと呟いた。 (ごめんね相棒。俺にはもうセンちゃんがいるんだ) そう。宝児の想い人とは誰あろう赤座伴番その人なのである。 しかしお分かりの通り伴番は既に同じく同僚である仙一と恋仲なわけで、それは完全に宝 児の横恋慕なのだった。 が、しかし。恋は盲目と言おうか・・・。 自分の気持ちにいっぱいいっぱいな宝児は哀れなことにその事実に全く気がついていない のであった。 PM8:05 「すみません。コーヒーを」 丁度横を通りかかったウェイトレスを宝児は手を上げて呼び止めた。 「失礼します」 すぐさまそう言ってコーヒーのおかわりを注いだウェイトレスは、カウンターに戻るなり 他のウェイトレス達に嬉々として話し掛けた。 「ねぇねぇあの人!絶対待ち合わせよね〜」 「カッコイイ〜。羨ましいあんな彼氏〜」 「でももう一時間もあそこでああしてるのよ?振られたんじゃない?」 「ばっかね〜よく見なさいよ。あの人さっきまでずーっと本読んでたじゃない?それが8 時になった途端にそれやめてちらちら時計気にしだして・・・待ち切れずに一時間も前か ら来ちゃってんのよきっと」 「やだ〜ますます羨ましい〜v」 バレバレな上に好奇の的となっている宝児であった。 PM9:00 「なかなかいいお店だったね。美味しくって値段も手頃で」 「だな!それよりセンちゃん、俺早くケーキ食べたいケーキ!」 伴番と仙一の二人は予約してあった店でつつがなく食事を済ませ帰り際にケーキを買い、 仙一の部屋へと場所を移していた。 「さっきあれだけ食べたばっかりなのにもう食べるの?」 「甘いモノは別腹なの!」 まるで女の子のようなことを主張する伴番に仙一は笑った。 「はいはい。でもその前にとりあえずコレを・・・」 「わぁツリーだ!」 そう言って仙一が取り出したのは装飾済みの小さなテーブルサイズのツリーで、伴番はそ れに目を輝かせた。 「それとコレね」 仙一はテーブルの上にツリーを置くと、伴番の頭に赤いとんがり帽子を被せてクラッカー を渡した。 「雰囲気出るでしょv」 自分は緑のとんがり帽子を被りながらそう言う仙一に、伴番は何度も嬉しそうに頷いた。 そしてツリーを置いたテーブルにケーキとシャンパンとグラスを並べ、二人は「メリーク リスマース!!」の言葉とともに同時にクラッカーを打ち鳴らした。 PM9:00 「すみません。コーヒーを」 呼び止められたウェイトレスは少し間を置いて、 「・・・失礼します」 と控えめに言ってコーヒーのおかわりを注いだ。 「ねぇ・・・あの人これでコーヒー5杯目よ」 「8時が待ち合わせ時刻だとしてもう一時間よ。本格的に振られたんじゃないの・・・?」 「かも」 「うっそ〜あんなにカッコイイのに〜」 ひそひそと囁き合うウェイトレス達の視線の先で、宝児は黙って窓の外を見つめた。 外はいつのまにか小雨が降り出していた。 PM9:30 「あれぇセンちゃんこれ何〜?」 ケーキとシャンパンにご満悦な伴番は陽気な口調でそう言いながら、テーブルの脇にあっ た袋を弄った。 「わ!何これ!」 仙一が答えるより先に伴番が中身を引っ張り出して広げてみるとそれはお決まりのサンタ の衣装セットだった。 「ああそれね〜。クラッカーとか買いに行った時にね、つい何となく買っちゃったの」 これまた陽気な口調で仙一が笑いながらそう言うと、伴番はやおらその衣装を仙一に押し 付けた。 「いーじゃんコレ!着てみてよセンちゃん!!」 「え!?俺が着るの!?」 予期しない伴番の発言に仙一は驚いて細い目を思い切り丸くした。 そもそもその場のノリでついでに買ってしまっただけで着るつもりなどなかった(着せる つもりはなきにしも・・・)だけに、仙一は戸惑ったが普段に輪をかけてテンションの高 い伴番は強気だった。 「絶対似合うって!ほら立って立って♪」 「わっ、ちょ・・・!バ、バン〜?(汗)」 数分後。 ご丁寧に白い髭までつけて、異様に背の高いサンタが出来上がった。 居心地悪そうに立つ仙一のその姿に伴番は手を叩いて盛大にウケた。 「あはははは!やっぱ似合う〜!ハクタクさんに爺ちゃんにされた時にも思ったけど、セ ンちゃんってそういう髭似合うよね〜♪」 「ああ!バンひどい!思い出したくもないことを〜!!」 「ひゃあ!ごめん!ごめんなさーい!!」 「分かればよろしい。でもバンもなかなか似合ってるよそれv」 「ホント?俺似合う?」 仙一の言葉にはにかむように笑って頭上を気にする伴番の頭はトナカイの角飾りのついた 被り物に包まれていた。 そして首には大きめの赤いリボンを通した黄金色の鈴。 サンタの衣装とともに袋に入っていたのを見つけた伴番が「お付き合い〜v」などと言い ながら自主的に着けたのである。 「うん。すっごく可愛いよ〜。思わず襲いたくなっちゃうぐらい」 「ば・・・っ///トナカイを襲うサンタなんて聞いたことねーよ。サンタさんはプレゼントを くれるもんだろ?」 「サンタにプレゼントを要求するトナカイも聞いたことないけどね〜。でもいいよ。あげ るv」 言うが早いか、仙一はニッコリと笑って白い口髭を取り去って伴番を抱き寄せ、チュッと 音を立ててその唇を啄ばんだ。 「・・・っ!センちゃん///」 「いらない?」 「・・・・・・いる」 頬を染めながらも小さく呟いて、伴番は仙一の首に腕を回し・・・。 伴番の首元で鈴がカランと鳴った。 PM10:30 「あっあっ・・・センちゃ・・・ぁん・・・!」 甘やかな熱気に包まれた仙一の部屋に切なげな伴番の声が響く。 仙一はサンタの衣装を身につけたまま。 伴番は全裸ではあったが角飾りと鈴はそのままに、二人は激しく交わりあっていた。 「ああ・・・いいよバン、凄く・・・」 仙一が奥を突き上げるたびに伴番は声も露わに喘ぎ、唱和するように鈴がカランカランと 音を立てる。 それがまるで行為の激しさと己の乱れ具合を如実に物語っているようでことさら伴番の羞 恥を煽った。 「んん・・・!や・・・センちゃ・・・っコレ・・・取ってよぉ」 「ダーメ。バンが自分で着けたんでしょ」 「で、でも、だって・・・ああん!」 「ん〜いい音色だね〜。ほらほらもっと聞かせてv」 「ひ・・・っやぁぁぁん///」 鈴の音は激しさを増し、まだまだ止みそうになかった・・・。 PM10:30 「・・・・・・・・・・」 レストランの店内は先程まで流れていたBGMも消え、既に客の姿はなかった。 ただ一人。宝児を除いては。 「お客様・・・あの、閉店です・・・」 おずおずとしたウェイトレスの言葉に宝児は力なく立ち上がった。 無言のままゆっくりと店を後にするその後ろ姿をかしましかったウェイトレス達は言葉も なく見送った。 外は先刻降り出した雨が雪へと姿を変えていて、宝児は白く冷たい粉粒の舞い散る凍えた 夜空を振り仰いだ。 何かを堪えるように顔を上げたままひとしきり立ち尽くし、大きくひとつ白い息を吐き、 そして宝児はようやく足を踏み出した。 夜が更けてもまだまだイルミネーションが輝きにぎわうイブの街並みを背中を丸めて一人 歩く宝児の耳には、木枯らしに乗って定番のクリスマスソングが響いていた・・・。 ♪ 雨は夜更け過ぎに 雪へと変わるだろう Silent night, Holy night きっと君は来ない ひとりきりのクリスマス・イブ Silent night, Holy night 心深く 秘めた想い 叶えられそうもない 必ず今夜なら 言えそうな気がした Silent night, Holy night まだ消え残る 君への想い 夜へと降り続く 街角にはクリスマス・ツリ− 銀色のきらめき Silent night, Holy night 雨は夜更け過ぎに 雪へと変わるだろう Silent night, Holy night きっと君は来ない ひとりきりのクリスマス・イブ Silent night, Holy night ・・・ ♪ |
ウチのサイトではお約束になってきた感のある
ホージーの受難。(もはや虐めでは・・・)
好きなんですよ〜?青い人。
でもなんかね〜弄りたくなるのですよ。
ほら彼ってばへタレだからv(おい!)
今回不幸な青い人と対比するために
緑赤をいつにも増してバカップルにしてみましたv
サンタプレイですよ・・・
まさかこんなネタ書く日が来ようとは・・・
恐るべし緑赤!!