Prophetic Dream・・・?



「好きだバン」
「好きだよバン」
「え?」
椅子に座った俺の左にはホストまがいの服着た相棒が、右にはタキシード姿のセンちゃん
が立ってそれぞれに俺に花束を差し出している。
「え?え?え〜〜〜〜〜〜っ!?」
唐突過ぎるシチュエーションに面喰って呆けていたところに、言われた言葉を遅まきなが
ら理解して俺は思わず叫んで立ち上がった。
ど、どうしよう!
なんか最近二人とも妙に構ってくるし、なんか時々火花散ったりしてるし、なんかおかし
いな〜って思ってたけどまさかそういう事だったなんて!!
待て!落ち着け俺!そうだこんな時こそ心頭滅却!冷静に冷静に・・・。
俺は大きく息を吸い込んで言った。
「ごめんなさいっ!!」
ぺこりと頭を下げたまま俺は捲くし立てた。
「俺、二人のことは大好きだけど二人が思ってくれてるような『好き』じゃないんだ!そ
れに二人とも俺には大切だし・・・どっちかを選ぶなんてこと俺には出来ない。だからご
めんなさい!」
一瞬の沈黙の後、ぽんと肩を叩かれて顔を上げると目の前に笑顔をたたえた二人の顔があ
った。
「いいんだバン。気にしないで」
「そうだ、NO PROBREM 。お前何も心配することはない」
「え?それって・・・?」
「お前を困らせるのは俺たちとしても本意じゃないからな」
「そうそう。だから俺たちもう決めたんだよ」
「は?決めたって何を???」
「「俺たち二人でバンを愛することに決めたんだ!」」
「はあ!?・・・っと、わぁっ!!」
ステレオで声高にとんでもないことを宣言されて俺は頭が真っ白になった。
そこを二人掛りで押し倒されて一瞬身構えたが、何故か俺の背中は柔らかい感触に受け止
められた。
恐る恐る目を開くと、そこは目にも眩しい真っ白なシーツがしつらえられたキングサイズ
のベッドの上。
てかなんでベッド?
俺さっきまで椅子に座っててそこから立ち上がってそれで・・・つーかなんで裸!?
困惑にせわしなく視線をさ迷わせるうちにふと目に入ったのは一糸纏わぬ自分の体。
いつの間に何がどうなっているのか!?
さらに気は動転するばかりだったけどそれでも少しでもあられもない我が身を隠そうと手
足をバタつかせていると、両側からその腕をがしっと取られて押さえつけられた。
「え?」
「バン」
「バン・・・」
「えええええ―――――っ!!??」
見ればまた左に相棒、右にセンちゃん。
二人がこれまた一糸纏わぬ姿で俺に覆い被さってくる。
こ、こ、これってつまりその・・・っ!!
「ちょ、ちょ、ちょ、ちょっと待って!!」
やばすぎる展開に一気に血の気が引いて慌てふためく俺に、二人は悠然と微笑んだ。
「怖がることないよバン。優しくするからね・・・」
「大丈夫だ。お前は何も考えずに全てを俺たちに任せればいい・・・」
「ひ・・・っ」
「愛してるよバン・・・」
「バン・・・I LOVE YOU・・・」
「わああああああっやだああぁぁああっっ!!」
ゆっくりと伸びてくる手に俺は絶叫し、渾身の力を振り絞って飛び起きた。
その途端、俺の腰の下でガタンっと大きな音がした。
転がったそれはデカルームでいつも座ってる自分の椅子で。
ぜーはーと肩で大きく息をしながら見開いた目を瞬くと、目に映るのは見慣れたデカルー
ムの光景で。
まじまじとそれを確認して、俺は自分が職務中にもかかわらずデカルームで居眠りをして
夢を見ていたのだということを悟った。
あの状況が夢だったことへの安堵にほっと肩の力を抜こうとした矢先、俺の体はまた強張
った。
「バン、どうしたの!?」
「どうかしたのか、バン!?」
左側から相棒、右側からセンちゃんが同時に俺の腕を取り、様子を窺うように覗き込んで
きた。
夢の中とまるで同じ状況を目の前にして瞬時に貞操を奪われかけた恐怖を思い出した俺は、
滲む涙もそのままに衝動的に喚いてデカルームを飛び出した。
「相棒もセンちゃんも・・・二人とも大っ嫌いだああああああっ!!」
「バ、バン!?ちょっと待って・・・っ!」
「待てバン!どういうことだっ!!」
追いすがってくる二人から全力で逃げながら俺は願わずにはいられなかった。
神様どうか。
あんな恐い夢どうか正夢になんかしないで下さい・・・っ!!





・・・それもアリでしょう。(笑)


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