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真墨は綺麗で可愛いと思う。
そう思う俺様はおかしいんだろうか?
いやそんなハズはない。
誰だってきっとそう思うはずだ。
現に今だって。
「ね〜今のヒト〜」
「うんうん、すっごい綺麗〜可愛い〜v」
「男のヒトだよね〜」
「ね〜」
今すれ違った二人組のネーチャン達の会話だ。
ひそひそとした小さな声だったがしっかりと耳が拾った。
これは間違っても俺様に向けられた言葉じゃあない。
「あ?どうした映士?」
思わず立ち止まっちまった俺様を少し先を歩いていた真墨が不審気に振り返る。
ネーチャン達の言葉が指してるのはそうこいつだ。
見ろやっぱりだ。
やっぱりこいつは誰が見たって綺麗で可愛いんだ。
俺様は間違ってない。俺様の感覚はおかしくない。
それなのに。
真墨はそんな自分のことを棚に上げて俺様のことを。
こいつよりずっとガタイのいい俺様のことを可愛いなんぞと言いやがる。
極めて遺憾だ。
こいつの感覚は絶対どっかおかしい。間違ってる。
「なぁ真墨」
「ん?」
「お前、菜月のことを可愛いと思うか?」
「は?な、何だよいきなり藪から棒に」
「どうなんだ」
「あ、ああ。まぁ・・・可愛いよ///」
「なら、さくら姉さんはどうだ?」
「え?さ、さくら姉さん?」
「そうだ」
「さくら姉さんは可愛いって感じじゃねぇんじゃねーの?どっちかっつーと美人・・・」
「可愛いかそうじゃねぇかで答えろ」
「いや、そう言われたら可愛い・・・かな」
「そうか」
「おい映士、お前さっきから一体何・・・」
「明石は?」
「はああああ!?」
「明石のことは可愛いと思うか」
「思うわけあるか!!あれの何処が可愛いってんだ気色悪ぃこと言うな!!」
「そうか」
「なぁ映士、お前ホントどう・・・」
「蒼太は?」
「だからな映士・・・!」
「蒼太は細身だしあれで結構綺麗な顔立ちをしてると俺様は思うんだが」
「あのな・・・。確かに整った顔してるとは思うが可愛かねぇだろ?」
「そうか・・・」
「映士?」
「なら俺様は?」
「え?」
「俺様のことは・・・どう思う?」
「・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・可愛い」
やっぱりこいつは間違ってる。
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