| クセになりそうだ。 |
その夜、誰しもが眠りにつく夜の静寂をぶち壊す突然の騒音に俺は叩き起こされた。 ガンガンと響くそれは玄関ドアを叩く音で、俺はベッドから跳ね起きたまま勢いよく玄関 に走りドアを開けた。 すると。 「ま〜すみ〜♪」 「おわっ!何だぁ映士!?」 ドアを開けるや、文句のひとつもかましてやろうと身構えていた俺に妙にテンションの高 い映士が両腕を広げて抱きついてきた。 体格差からするとまるで俺が抱きしめられてるみたいな格好だが、前のめりにかかる体重 を支えてるのは俺だ。 結構重いし苦しいってのに映士は全く意に介さない様子で、相変わらずのハイテンション でさらに訳の分からないことをほざいた。 「おう!元気か〜真墨〜」 「元気かってお前・・・まさか酔ってんのか?」 「んん〜?俺様は酔ってなんかいねぇぞぉ〜?」 「完全に酔っ払いじゃねーかよ・・・」 どういうわけか酒臭くはないが目の前の映士は何処からどう見ても立派な酔っ払いだった。 どうしたってんだ、一人で酒盛りかぁ?けど酒の臭いがしねぇんだよな・・・。 映士を抱えたままそんなことを考えていた矢先、映士の背中越しにひょこっと顔をのぞか せた奴がいた。 「やぁ真墨。こんな時間にごめんね」 「蒼太!?さてはお前かこいつを酔い潰れさせたのは!?」 俺の位置から見えなかったせいでてっきり映士一人だと思っていたら・・・こいつか諸悪 の根源は。 そう思って軽く睨みつけるが蒼太はそんな俺の視線を飄々と受け流しいつもの笑顔で言っ た。 「酔い潰すなんてそんな人聞きの悪い・・・。確かにバーに誘ったのは僕だけど映士、カ ルアミルク一杯しか飲んでないよ?」 「はぁ?そんなんでこんなへべれけになってのかこいつ!」 「へべれけとは何だぁ!?俺様は〜至ってマトモだ〜!」 「全然マトモじゃねーっつーの!・・・ってこら何勝手に上がり込んでんだ!!」 「俺様の家は俺様の家。真墨の家は俺様の家だ」 「どーゆー理屈だよ!!」 「酔っ払いの論理に定義付けは不可能だよ真墨」 「あのな!大体なんでわざわざこんなの俺んトコに連れてきたんだよ蒼太!!」 「だって映士が真墨の部屋に行くって言ってきかないんだもの。まったく二人の夜はまだ まだこれからだったっていうのに参っちゃうよねぇ」 「・・・聞き捨てならねぇ台詞だなおい」 「あははは。まぁそれはそれとしてそういうわけだから。後よろしくねv」 「は?おい、待てよ蒼太!蒼太ーっ!コラーっ!」 玄関先での攻防はどうやら俺の全面敗北だ。 俺と蒼太が話してる間に映士は俺の横をすり抜けて中に入っちまったし、蒼太は爽やかに いつものポーズを決めてさっさと立ち去ってしまって、玄関には俺一人が残された。 「ったくあの野郎・・・ん?」 腹立ちまぎれに乱暴にドアを閉めて部屋の中に向き直った途端、視界の下の方に俺は目を 奪われた。 玄関先に散らかった靴。それはいい。 それはいいんだがその先の廊下に落ちているモノは・・・? 「は?」 拾い上げてみればそれは靴下で、右足から少し離れたところに左足の分が落ちていた。 そしてその先にはジャケット。さらにその先にはシャツ。点々と落ちているそれらを拾い 集めて辿り着いたのはさっきまで俺が寝ていた寝室で、俺がそこに入ったときにはベッド に乗り上げた映士がジーンズをベッド下へと脱ぎ捨てたところだった。 「こ、こらこらこらーっ!!何で脱いでんだ!やめろバカそれ以上脱ぐなーっ!!」 さらに下着にまで手を掛けようとする映士を俺は大慌てで止めた。 集めた服をその辺に放り出して駆け寄り手首を掴むと映士は力任せにその腕を振り回して、 俺は引き倒されるように映士共々ベッドの上へと転がる羽目になった。 「うわぁ!」 「ん〜真墨〜・・・」 「ちょ・・・むぐっ!?ん・・・っ」 上機嫌な映士はそのまま俺にヘッドロックをかまして勢いよく唇を押し付けてきた。 そのまま舌までねじ込んでくるのに思わず映士のそれを舌で押し戻・・・そうとした瞬間 舌先が何かをかすめた。 「!?」 その感触にがばっと映士を引き剥がしてまじまじと映士を良く見てみれば。 瞳の色は淡く透明がかり頬にはうっすらと特有の痣が浮かび、髪も全体的に色素が薄まっ ていて濡れた唇を舐めるその口端には犬歯がのぞいて。 さっき舌先が当たったのはこの犬歯の切っ先だ。 「お、お前・・・」 中途半端な外見のアシュ化に俺は言葉を無くした。どうやら意識ははっきり映士のものの ようだがこれは・・・アルコールの影響なんだろうか? 「なぁ・・・ヤろうぜ真墨・・・」 色々と試行錯誤する俺にも自分自身の変化にも目の前の酔っ払いは全く無頓着で、俺の首 に腕をまわし足をすり寄せてとろんとした目で俺を見上げて俺を誘う。 正直ちょっとそそられるがこれはマズイだろ。 「・・・なにバカ言ってんだ。おら、いいから服着ろよ」 嗜めるようにそう言ってベッド下のジーンズを拾おうと体を離した瞬間、目の前の視界が ぐるりと回った。 体を反転させられたのだと気がついたときには既に映士は俺の上に馬乗りになっていた。 見上げればさっきまでの上機嫌は何処へいったのかという顔つきで目が据わっている。 もがいてみてもウェイトの差もあってびくともしない。 「何の真似だよコラ!映士!」 「俺様はヤりてぇんだよ」 「黙れ酔っ払い。俺にはその気はねぇっつっただろ」 「ならその気にさせてやる」 「は?わーっ!!バ、バカ何処触ってんだ!?」 「うるせぇ。俺様は俺様の好きにやるだけだ」 ああ、なんか懐かしい台詞だなそれ。とかって感慨に耽ってる場合じゃねぇ! 映士は何のためらいもなく俺の股間をスウェットの布地越しに鷲掴みにしてきやがった。 その上ぐにぐにと力任せに揉み込んできやがる。はっきり言って痛い。 「痛ぇ!よせバカ!やめろ!!」 正直にきっぱりとそう喚くと、映士は不満気にフンと鼻を鳴らして手を離した。 ほっと安堵したのも束の間、今度はスウェットの下衣を下着ごと思い切り引き下げられて そのまま引き抜かれてしまった。まるで追い剥ぎだ。 「おわぁぁぁぁ!?な、な、何しやがる!!」 一気に顔に熱が集中するのを感じつつ足を閉じようとすると、それより先に足の間に映士 が体を割り込ませてきてどうしようもなくなった。 「うあ・・・っ」 さらに間髪入れず映士の手が剥き出しの股間に伸びて、直接下腹部を握り込まれた。ます ますもってどうしようもない。 「おい・・・っ!映士・・・!」 映士の腕を掴み咎めるつもりで名を呼んでみても全く効果はなく、映士は手のひらに包ん だ俺のモノをゆるゆると擦り始めた。 「あ・・・っ」 瞬間背筋がぞくりと震えて不覚にも声がもれた。 直接そこを刺激されれば否が応でも感じてしまうのは男の悲しい性だ。 まして実際のところここしばらくちょっとご無沙汰で溜まってるといえば溜まってるわけ で、映士が酔ってさえいなければ拒むこともなかった状況だけに反応が早いのは無理から ぬことだ。・・・と思いたい。 「真墨・・・」 「う・・・っ、ダメ、だ・・・!よせ・・・って・・・」 誘うような甘い声で俺の名を呼びながら映士は休みなく手を動かして俺のモノを弄る。 情けないことに既に半勃ち状態なのが自分でも分かるんだが、ここで流されるわけにもい かない。 相手は酔っ払いなんだ!と自分に言い聞かせ、理性をかき集めて掴んだままだった映士の 腕を引き剥がすべく力を込めた。 と、その瞬間。 「ひっ!?」 突然下腹部に感じた濡れた感触に俺は息を呑み喉を引き攣らせた。 こ、これは、まさか・・・まさか・・・!! 恐る恐る視線を下に向けると信じられない光景が目に飛び込んできた。 俺の股間に映士は顔を伏せ、握り込んだモノの先端にその・・・唇を・・・っ! 「ああ・・・っ!」 驚愕のあまり凝固してしまった俺の眼前で映士の舌がべろりと俺のモノを舐め上げた。 手のひらでの刺激を上回る強烈な快感に不本意ながら俺のモノは完全に勃起して、口を手 のひらで覆っても上がる声を抑え切れない。 信じられねぇ、嘘だろう!?映士が・・・あの映士がこんな・・・! ありえない状況に思考がついていかずまともに対処できずにいる俺を尻目に、映士はます ます大胆に俺のモノにしゃぶりついてきた。 指で付け根の辺りを揉み、裏筋にそって何度も舌を往復させ滲み出る先走りを舐め取りな がら、先端に口づけ舌先で割れ目をなぞる。 「ひぁ・・・!は・・・あぁ!!」 こうなるともう俺も我慢も何もあったもんじゃなかった。嬲られるがままに声が上がり無 意識に腰が浮く。 こ、こいつ、一体何処でこんなこと覚えてきやがったんだ!? 俺の方からしてやったことだってないってのに・・・つか、ヤバイ。マジで気持ち良過ぎ る・・・っ!! 「んあぁっ!」 頭の隅っこでそんなことを考えていると、舌で舐めるだけだった映士がおもむろに俺のモ ノをすっぽりと口腔に咥え込んだ。 熱く滑った感触に全体を包まれて腰が戦慄き思わず映士の髪を掴む。 しかしそのまま卑猥な水音を立てながら映士の唇が上下するのに、俺のその手は映士の柔 らかい今やほとんど白くなった髪を意に反して強請るように掻き混ぜることしか出来なく て。 「あっ、あうっ、ああっ」 先端が喉奥に当たるほど深く咥え込んでは、すぼめた唇で緩く締めるように幹を梳く。 その時、伸びた犬歯が表面をなぞるように当たるのが・・・堪らなく気持ちいい。 込み上げる射精感に我ながらみっともないほど喘ぎながら頭を左右に振りたくる。 ヤバイヤバイヤバイヤバイ!これ以上はもたねぇ・・・っ! 「え、映士、も・・・っやば・・・離・・・っ!」 なけなしの理性を総動員して映士の髪を引っ張りそう叫んでも、映士は聞こえていないの か俺のを離そうとしない。 「映士ィ・・・っ!!」 このまま口の中に出してしまうことだけはどうしても避けたくて、限界を感じた瞬間渾身 の力で俺は映士を股間から引き剥がした。 俺が達したのはそれとほぼ同時。 寸前で口に出すのは免れたがしかし・・・かわりに顔に・・・かけちまった。 何てこった・・・顔射なんて初めてだっつーの。 正直あんまり気分のいいもんじゃない。何か凹む。 ああ、もうそれもこれもこいつが・・・!って、やけに静かだな。いくら酔ってるからっ てちょっとは喚いてきそうなもんだが・・・。 達した直後の解放感と余計な疲労感を抱えながらシーツに伏せていた顔を上げ、静か過ぎ る映士を不審に思ってそっとその様子をうかがうと・・・。 すー・・・、すー・・・、すー・・・。 俺が吐き出した白い残滓を顔につけたまま目を閉じた映士の口元からは規則正しい呼吸音 がこぼれていた。 あ、ありえねぇ・・・!人のモンしゃぶりながら寝る奴があるかよ・・・っ!! いつから意識がなかったのかは既に謎だが、眠る映士の髪はいつもの明るい茶髪に戻り口 元に犬歯はなかった。 俺はもう腹が立つやら自分が情けないやらで頭の中がぐちゃぐちゃでどっと疲れてしまっ た。 とりあえず汚してしまった(もともとの原因はこいつだが)映士の顔を拭いてやってベッ ドはそのまま映士に譲り、俺は深〜い溜息をつきながら毛布と枕を手にすごすごとリビン グのソファに向かった。 全く・・・なんて夜だよチクショウ。 「お〜・・・す」 「よう・・・」 翌朝洗面所で歯を磨いていると、ずるずるとシーツを体に巻きつけた映士がどんよりとし た顔で現れた。 完全に二日酔いってツラだな。これでカルアミルク一杯ってマジなのかよ。 しかしこの様子じゃあ・・・。 「なぁ・・・なんで俺様はお前ん家でパンツ一丁で寝てんだ?昨日は確か蒼太と・・・あ 〜・・・ダメだ、頭痛ぇ」 やっぱりな。予想通り映士は昨夜のことは何も覚えてねぇようだ。 まぁそれならそれで今更蒸し返すこともない。 多少の憤りは感じるが犬にかまれた程度に思って忘れよう。 そう思って何か適当に言い繕っておこうと口を開きかけたがそれはかなわなかった。 ふと顔を上げれば俺の隣に並んだ映士が口を大きく開いて鏡を覗き込んでいて、俺は激し く咽た。 「げほっ!!おま・・・、何やってんだよ!?」 「ああ?何かな・・・口の中妙な味がすんだよ」 そ、それは・・・!いやそりゃあ仕方ないだろ。顔の方は清めてやったが流石に口の中ま ではどうしようもないんだから。 けれど昨夜のことを全く覚えていない映士は不審気に眉を寄せながら鏡に顔を近づけ、中 を確認するように大口開けて、ためつすがめつ眺め回してべろりと舌を出したりしている。 「・・・っ!」 その光景に俺の目は釘付けになった。 思わず歯磨き粉と一緒に口中に堪った唾液をごくりと飲み込む。 この舌が・・・この唇が・・・昨夜・・・俺の・・・。 ついさっき忘れようと心に決めた昨夜の出来事が鮮明に脳裏に浮かんだ。白く汚れた映士 の顔さえもはっきりと。 「〜〜〜〜〜〜〜っ!!」 それは理性に関係なくダイレクトに下半身にキタ。つくづく男ってのは悲しい生き物だ。 「んあ?真墨どうした?」 反射的にその場に蹲った俺に映士が声をかけるが、俺はそれに返事を返すことも出来ずた だゆるゆると首を横に振った。 「変な奴・・・まぁいい、あれだ。とにかく何か迷惑かけちまったみてぇで悪かったな。 朝飯まだだろ?詫びに何か作ってやるから待ってろ」 そんな俺をどう思ったのか知らないが映士はそれ以上俺には構わず、珍しくも殊勝なこと を言ってぺたぺたと裸足の足音を立てながら洗面所を後にした。 残された俺はしばらく立つこともままならず一人膝を抱えて悶々としていた。 畜生。忘れようと思ったのに・・・無理かも。 とはいえ素面じゃぜってーシテくれねぇよなあいつ。 どうしよ何か・・・。 甚だ不本意なんだが何か。 ああ。 何かもう。 クセになりそうだ。 |
こんなあんあん言ってる攻め書いたのは初めてです。(笑)
銀受けサイトさんを回っていると
銀はお酒に弱いという設定が多い気がします。
なのでウチのもなんとなくそういうことに。
逆にザルな銀もありだと思いますけどね♪