Cucumber & Aubergine



うつ伏せにした体の腰だけを抱えて高く上げさせ、真墨は後ろからその中心へと身を埋め
ていく。
「は・・・あぁ・・・」
たっぷりとローションにまみれ丹念に解されたそこは大した抵抗もなく真墨の雄を飲み込
み、映士は押し広げられ腹を満たされるその感覚に吐息とともに喘いだ。
「映士・・・」
方頬をシーツにくっつけて目を閉じるその横顔を上から見下ろしながら真墨はゆっくりと
腰を揺する。
「あ・・・っあ・・・っ」
腰を突き込むたびに薄く開いた映士の唇から艶を帯びた声が小さくこぼれて、弱いところ
だと知りつつ腰から尾骨の辺りを手のひらで撫でれば強請るように腰がくねった。
おそらくは無意識のその痴態に真墨は思わず呟いた。
「やらしいな・・・お前」
その途端、閉じられていた目が開いて威嚇するように眉が吊り上がった。
しかし潤んだままの瞳では全く迫力がなく、真墨はその様子にほくそ笑んで大きく腰を突
き上げた。
「あぅ・・・っ!」
突然与えられた強い刺激に抗する術もなく映士は悲鳴じみた声をあげ、その羞恥に目元を
赤く染めてますます背後の真墨を睨みつけた。
「そんな目ェして睨んだって無駄だって。気持ちいいんだろ?」
腰を使われるたびに声が出そうになるのを映士は唇を噛み締めて堪えながらも、合間を縫
って吐き捨てるように悪態をつく。
「・・・っ!バカか・・・っ!ちっとも、良くなんか、ねぇよ・・・っ!」
「嘘つけよ。お前の中、離したくねぇみたいに吸い付いてくるぜ?」
「はっ、自意識過剰だぜ。自惚れんな、この、ヘタクソっ!」
「な、ヘタ・・・っこ、この・・・!強がりも大概にしとけよ!?俺のをがっちり咥え込
んでココこんなおっ勃ててるくせに!!」
「あ、く・・・っ、触んな・・・っ!こんなのは生理現象だっ!!」
睦言とは程遠い、情事の真っ最中とも思えない会話である。
映士が意地を張れば真墨も意地を張り、どこまでも交わらない平行線が生まれる。
こうなるともう二人とも止まらない。
「生理現象ね・・・ああ、そうかい・・・」
密かにこめかみに青筋を浮かべながら真墨は低くそう言うと、おもむろに映士の中から自
身を引き抜いた。
「え・・・?」
意外な真墨の行動に映士は面食らう。
驚いて身を起こそうとすると、ぐいと背中を押さえつけられてそれを制された。
「!?おい・・・っ!何だよ、てめ・・・っ真墨!!」
もがく映士の背中の真ん中を押さえてその体をシーツに縫いとめ、真墨は唇の端を歪めて
笑いながら言った。
「ならこいつでどうだ?」
「は・・・?あぐ・・・っ!」
同時に双丘の間に冷たいモノが押し付けられたかと思うと、戸惑う間もなく問答無用でそ
れをずぶりと中へ押し込まれ、映士は苦鳴をあげてシーツに崩れ落ちた。
自分の意思とは無関係に内壁が咥え込まされたモノを締め付け、否応もなく映士にその形
をリアルに伝えてくる。
それは冷たく固く細長く、おまけに表面に小さな突起物が無数にある。
指とも真墨のモノとも違う、味わったこともない異物の感触に嫌悪を感じて映士は震えなが
ら身を捩る。
そんな映士に構わず真墨は挿入したそれに添えた手を動かし、内壁を抉るように抜き差し
した。
「ひ・・・っ!やめ、やめろ!!お前、一体何を・・・っ!?」
痛みこそないがそんな得体の知れないモノに感じるわけもなく、映士は制止を求めて喚い
た。
「何だよ。お前の大好物だろ?」
「な・・・なあぁぁ!?」
そんな言葉とともに真墨が映士の目の前に突き出したモノに映士は目を剥いた。
それはつい先刻、夕食の時に映士が丸かじりしていたモノで。
細長く湾曲した緑色の表面には新鮮さを誇示するように小さな突起が立っているソレ。
映士の記憶に間違いがなければソレは「キュウリ」という名の野菜で、決して食用以外に
供されるものではないモノだった。
それが今、己の体内に埋め込まれているというにわかには認めがたい現実に、映士は青く
なって絶句した。
「どうだ?いいか?」
映士の反応に満足気に笑いながら、真墨はさらに手を動かした。
じゅぷじゅぷとわざと卑猥な音を立てながら出し入れして映士の羞恥と嫌悪を煽る。
「くぅ・・・っ!い、いいわけあるかっ!何考えてやがる、抜けよっ!!」
「我侭な奴だな。俺のはお気に召さねぇんだろ?こいつもダメだってのか?」
「当り前だっ!!やぁ・・・や・・・っ、動か、すな・・・ぁ!!」
「そう言う割には・・・なかなか美味そうに頬張ってるぜ・・・?」
「ふざけ・・・っ、ああっ!見んな・・・!やめろぉ・・・っ!!」
真墨の手は休むことなく映士を責める。
無数の突起が作る表面の凹凸が内壁を不規則に刺激し、そこから生まれる予測できない波
が映士の思考力を奪う。
いびつに伸びた先端で中の快楽の中枢を突かれれば、望まない快感が四肢を駆け巡り、映
士はその感覚を拒絶するかのように激しく身悶えた。
「あ、うう・・・っふ・・・っ!嫌だ、こんな・・・、真墨ィ・・・っ!」
目元に涙を滲ませてしゃくり上げながら、映士は縋るように真墨の名を呼ぶ。
最初はどこまでも強がる映士を少しいじめてやりたくなっただけで、すぐに止めてやるつ
もりだった。
しかし嫌がって悶える映士の媚態は思いがけず艶めかしく、真墨は少なからず興奮を覚え
ていた。
深い場所に埋めたモノを小刻みに揺らしながら、真墨は映士の背中に覆い被さるようにし
て耳元に唇を寄せ、乱れた茶髪からのぞく耳朶に息を吹き掛けながら囁いた。
「映士・・・抜いてほしいか・・・?」
その言葉に映士は声もなく首を縦に上下させこくこくと頷く。
「なら・・・俺のがいいって言えよ」
「な・・・っ!?」
「俺のでイカせてくれって言えよ」
「て、てめぇ・・・っ!!んああ・・・っ!」
「それとも・・・このままイクか・・・?」
続けざまにきわどいトコロを擦られ、映士は今度は大きく首を横に振る。
しかしながらその唇はきつく噛み締められていて、続く言葉はない。
「ったく、ホント強情な奴だな・・・」
耳まで真っ赤に染めて、それでも頑として真墨の要求を突っぱねる映士の態度に興をそが
れ、真墨は溜息と共に映士の中から緑色の野菜を引き抜きベッド下のゴミ箱へ放り込んだ。
そして最初と同じように映士の腰を掴んで高く掲げ、赤く熟れた中心を一息に貫いた。
「あああぁぁぁああ!!」
解放感に詰めていた息を吐き脱力して無防備だった映士は、その衝撃に一瞬にして理性を
焼かれあられもない声を上げた。
「映士」
熟れきって熱くうねって絡みつく映士の中を味わいながら、真墨は間断なく腰を揺さぶった。
「ああっ!あ、ああ・・・っ!あー・・・っ!」
互いの肉がぶつかり合うたびその音に合わせるように映士が鳴く。
熱をもたない異物に体内を犯される恐怖感と嫌悪感を味わった直後だけに、真墨の熱に、
生々しい肉の感触に今までにない安堵感を覚え、映士は満たされる悦びに身も心も支配
されて溺れるがままに咽び鳴いた。
我を忘れて快感を貪る映士のその淫蕩な姿に煽られ無意識にも真墨の映士を責める律動
が早まる。
「く・・・映士・・・っ」
「ふあ・・・あ、・・・い、い・・・」
「映士?」
「ん・・・っ、イイ・・・真墨の、が気持ちいい・・・っ」
「―――――――――っ!!」
涙に濡れた虚ろな目で半開きの口から唾液に濡れた舌を覗かせながら、ろれつの回らない
たどたどしい口調で小さく紡がれた映士の言葉は、真墨の脳と下半身にガツンと響いて。
そこから後のことを真墨は自分でもよく覚えていなかった。
要するにそれだけメチャクチャに抱いてしまったということなのだが。
ヤり過ぎで腰が気だるくしびれるのを感じながら、二人して言葉もなくマグロのようにベ
ッドの上で横たわっていると、程なくして映士の方がむくりと身を起こした。
それを横目に見て「タフなやつ・・・」などと思い、真墨は映士に背を向けるように寝返
りを打とうとしたが、その途端肩をがしりと掴まれて仰向けに戻された。
「!?」
そしてそのまま映士が上に圧し掛かってくる。
「映士?何・・・ひっ!!」
見上げた映士の顔を見て真墨は思わず息をのみ引き攣った声を上げた。
「ま〜す〜み〜〜〜〜〜〜」
呪詛のように低い声で名前を呼ぶ映士の形相はまるでアシュ化した時のような凶暴さをは
らんでいた。
「てめぇ・・・よくも俺様にあんなモン突っ込んでくれたなぁ・・・」
「え、映士、ちょ・・・、待て。落ち着けって、な?」
身の危険を感じて下手に出るも映士の怒りは当然ながらおさまらない。
「おまけに調子こいてヤりたい放題ヤりやがって・・・。俺様にあんな真似してただで済
むと思うなよ・・・覚悟出来てんだろうな真墨ぃ・・・!」
「か、覚悟・・・?」
真近に顔を寄せて盛大に毛を逆立てながら獣の如く唸る映士に、真墨は背中に嫌な汗が流
れるのを感じつつごくりと生唾を飲み込む。
そして、ふと視線を下ろした先にあった映士の手元を見て真墨は全身から血の気が引くの
を感じた。
映士の手には、黒光する楕円形の極太ナスが握られていた。





やっちまったぜ・・・。
良い子は絶対真似しないでね!(しねぇよ!)
で、でもでも
黒と銀にナスとキュウリはお約束ですよね!
(↑色々と間違っています)


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