Emergency !



サガスナイパーを肩に担いで郊外を探索していた映士のゴーゴーチェンジャーが突如けた
たましく鳴り響いた。
『映士!』
即座に回線を開くと切羽詰ったように自分を呼ぶ明石の声がして映士は顔色を変えた。
「明石か、どうした!?」
『緊急事態だ。今すぐミュージアムに戻れ』
「ネガティブか!?」
『説明は後でする。大至急第一資料室に来い』
「は?サロンじゃなくてか?」
『いいな!すぐに戻ってくるんだぞ!』
「お、おい明石!明石!?」
ほとんど一方的に捲くし立てたられて切られた回線に当惑しながらも、映士は地を蹴って
駆け出した。

言われた通り第一資料室に向かうと、膨大な資料を納めた棚が所狭しと並んだ奥に明石は
いた。
室内は明りはおろか全ての窓にブラインドが下りていて日の光を遮断している為に薄暗く、
そんな中にただ一人、明石は事務的な机に肘をつき頭を抱え込んで項垂れて座っていた。
尋常ではないその姿を目にして映士は慌てて駆け寄った。
「どうした明石!何があった!?」
肩に手を掛けてそう声をかける映士に明石はうめくように言った。
「耐えられない・・・」
「明石?」
「これ以上は・・・耐えられない。映士」
「あ、明石!?」
ぶつぶつと呟きながらふらりと立ち上がった明石は、隣に立つ映士を突然抱きしめた。
「お、おいコラ明石。何だよ、どうしたってんだ?耐えられないって一体何が・・・!?」
訳が分からず映士が腕の中でもがくのに明石はそっと体を離し、ようやく映士に真っ直ぐ
顔を向けた。
その表情に映士は息をのむ。
「映士・・・」
悩ましげに眉を寄せ、目元も口元も悲痛なまでに歪んでいた。
「お前・・・」
そうまるで。
まだ映士がボウケンジャーになる以前。
レイの作りだした幻に惑い、過去に苦悩していた時のような明石暁がそこにいた。
一体何が明石をそこまで追い込んだというのか。
映士はかける言葉を無くして、無言でそっと明石の頬を手のひらで包む。
明石はその手のひらを握りしめそこに口づけた。
「明石」
「何も言わないでくれ。頼むから、今はただ・・・」
そう言って明石は映士に唇を寄せた。
「ん・・・」
映士は大人しくその口づけを受け入れたが、明石がそのまま己が身を強く抱き寄せ机の上
に押し倒そうとするのには、わずかに身じろいで抵抗した。
「映士」
「ここで・・・か?」
「分かってる。だがもう時間がないんだ」
「時間・・・?変だぞお前こんな・・・らしくねぇ」
「それも承知してる。それでも俺は・・・」
「しようのねぇ奴だな・・・。後できっちりワケ聞かせてもらうからな・・・あ・・・っ」
「映士・・・!」

時間がないといった言葉に嘘はないらしく明石は実に性急だった。
いつもなら、手のひらで指先で唇で舌で、映士の身体をあますことなく弄りたっぷりと映
士の性感を高めて蕩かせてから交わろうとするのに、今は肌を撫でる程度で執拗に繋がる
箇所を解してくる。
「ん・・・っん・・・っうぅ・・・っ」
優しい行為に慣れている身体には少々きつく感じられる責めだったが、映士は明石の体に
しがみつき、場所が場所なだけに必死に声を抑えながらそれを受け止めていた。
そんな映士の体内から指を引き抜きながら、明石は上擦った声で囁いた。
「すまない映士。いくぞ・・・」
「あか・・・し・・・っ!あぁ・・・っ!」
熱く灼けた楔を打ち込まれる圧迫感と痛みに噛み締めていた唇が解け、映士は顎を仰け反
らせて喘ぐ。
「えい・・・じっ!」
きつい締め付けに眉間に皺を刻みながら、明石はまだ半ばまでしか咥え込ませていないモ
ノを動かし始めた。
「痛っ!あ、あかし!や・・・まだ・・・っ、待っ・・・!くぅっ!!」
あまりの性急さに堪えきれず、映士の目元に生理的な涙が浮かぶ。
明石はそんな映士の涙をキスで拭いながらも腰を使い続けた。
「映士・・・映士・・・っ!」
「あ、はぁ・・・っ!明石・・・ィ!」













































「出張だ?」
かなりスピーディーに終了したコトの後、まだ動くのも億劫で机に腰掛けたまま、目の前
であからさまにすっきりとした顔で身なりを整えていく男の姿を見つめながら、映士は先
ほどの行為の理由を問うた。
すると、目の前の男は実にあっけらかんと信じ難い言葉を吐いたのだった。
「ああ、昼からの会議で急に決まってな。今日の最終までに出なきゃならない。二泊三日
程度になるそうだが、後のことはさくらに任せてある」
「で?」
「で?とは?」
「たったそれだけのことであんな落ち込んでやがったのか?つーか、それで何だってこん
なトコであんなマネするようなことになるんだ?」
「たったそれだけだと!?」
映士の言葉に明石はそれこそ信じられないというように声を荒げた。
「一週間だぞ映士!」
「はあ?お前今出張は二泊三日ぐらいだって・・・」
「違う!もう一週間もしてなかったんだぞ!!」
「はあぁ!?」
とんでもないことを声高に口にされて、誰も聞いていないとはいえ映士の顔に熱が昇る。
そんな映士を尻目に明石は拳を握りしめて熱く語りだした。
「お前を最後に抱いてからもうかれこれ一週間・・・。忙しさにかまけてろくに二人にな
る時間もなかったというのにこの上さらに三日!?いい加減限界だったのに顔も見られな
くなるなんて・・・俺は絶対に耐えられない!!」
「・・・・・・・・・・」
映士はもう途中から聞いていなかった。
聞くだに激しくバカバカしい。
本気で心配して、ほだされて、挙句こんな場所で醜態をさらしたことにふつふつと怒りが
湧いた。
「お前は平気なのか映士?」
止めの一言に映士は静かにキレた。
口元だけで笑みを作り抑揚のない声で言った。
「いや・・・?そんなことはねぇよ・・・?」
「そうだろう」
「ああ・・・。おかげで三日といわずしばらくはお前のツラ見なくても大丈夫そうだぜ・・・」
「ん?映士、どうした?」
「三日でも十日でもどこへでもさっさと行きやがれこのバカ明石―――――――っ!!」

響き渡る映士の怒声と共に、明石は地上十数メートルにある第一資料室の窓から蹴り出さ
れた。





こんな夢を見ました。(え?)
夢では立ったまま後ろから・・・な体位でしたが。(ええ!?)
それはまたの機会に。(えええ!?)
またまたお馬鹿な赤銀ですみません。
チーフが段々壊れていくなあ・・・。(遠い目)


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